しゅみは人間の分析です

いらんことばかり考えます

週報 2024/03/17 物語に潜るための風呂

3/9(土)

『スパイス完全ガイド』と『ミニマル料理』を読んだ

どちらも稲田俊輔の本。

イナダ氏のレシピは手順が明確でわかりやすいのが特徴。読んだら何をすべきかよく理解できる。料理中は忙しいので簡潔に書かれているのがありがたい。

❤️❤️❤️

www.seitosha.co.jp

『スパイス完全ガイド』は教科書みたいな本。レシピよりもスパイス解説、コラムの文章のほうが多いかもしれない。本当に「完全」なガイドなので、スパイス本で迷ったらこれを買えば間違いない。

 

麻婆豆腐レシピのページに変なことが書かれていた。

イナダのつぶやき: いかなる定義をひねくり出しても麻婆豆腐をカレーから分離することは不可能だというのが僕の見解です。
P.40

「麻婆豆腐はカレーであるか?カレーではないか?」というTwitterネタの文脈を参照している。
私も麻婆豆腐はカレーだと思う。

❤️❤️❤️

www.shibatashoten.co.jp

僕は古い料理本を読むのが好きです。その中でも特に好きなのが50年くらい前の家庭料理本の数々なのですが、そこに掲載されている料理を実際につくったり、レシピから味を想像したりしていると、それは現代の家庭料理とは大きく異なっていることに気付かされます。あえてざっくり言うと、それらはおしなべてなかなかの手間がかかる割に、案外素っ気ない味に仕上がります。
素っ気ない、と言うと悪口に聞こえるかもしれませんが、その素っ気なさは実は極めて好ましいものでもあります。「素材そのものを生かした料理」なんて大上段に構えるつもりはありませんが、ただ、そこには凛とした飽きない味があります。そして少々皮肉なことに、今の私たちが日常的に利用する飲食店よりもっと敷居の高い、いわゆる高級店のシンプルで研ぎ澄まされた料理にも通じるものがそこにはあるのです。昔の人はたちは、こんないいものを家で食べていたのか、という驚きがあります。
P.4 絶対に読んでほしい前書き

手間がかかる昔のレシピを合理的・効率的になるよう再構成したのがミニマル料理である。高級店のシンプルさを自宅で再現できるので、食べ疲れしない。自炊入門に最適な本でもある。

3/10(日)

カレーの玉ねぎは一人100g

やや失敗カレーとてきとう野菜煮

いつものようにDiDiのインドカレーを作ったらやや失敗。しゃばしゃばの水多めになってどろりとした感じが出なかった。味はおいしいのだが、スパイスが辛く感じる。スパイスの量はレシピ通りなのになぜ?

レシピに立ち返り確認したところ、玉ねぎの量が少ないのに気づいた。2人ぶんで200g必要なところ100g入れたかどうか。なるほど玉ねぎが少なくてカレーのボディ部分が手薄になっていたのだろう。だからスパイスが多く感じられた。

「どのレシピも玉ねぎは200g必要なのだろうか?」と思ってイナダ氏のレシピをくまなく調べると「玉ねぎとトマトの総量が200gになるように設計されている」ということがわかった。トマトを入れなければ玉ねぎが200gだし、トマトがあるなら玉ねぎは120gである。インターネット上に見られる他のレシピも似たような量だった。

カレーにおいて、トマトと玉ねぎは旨味担当である。土台になる。ここがしっかりしてないと、カレーはカレーらしくならない。必ず1人100g(以上)入れること。*1

🛌🛌🛌

漫画家短命すぎる問題

鳥山明の件で文化功労者になった漫画家を調べてみた。

著名なのは

あたり。手塚治虫は入っていない。

おそらく、死ぬのが早すぎたから。手塚治虫は60で死んじゃっている。文化功労者とは、年金付きの栄誉称号なので生きていてそれなりに高齢でないともらえない。

水木しげるは「睡眠力」の漫画で有名なようにちゃんと寝ていたし、ちばてつやは病気により50代で連載をやめたそうだ。うしろ二人の少女漫画家は月刊誌に連載していた。やっぱり漫画、特に週刊連載は命を削って仕事をしているのだろう……。

3/11(月)

トイレの鏡で頭を見たらアホ毛があった。茶柱みたいでめでたい。

✒️✒️✒️

物語に潜るための風呂

お昼休みに『ペンギン・ハイウェイ』を読んでいて、いいシーンにさしかかったところ、昼休憩の残り時間が気になって本を閉じてしまった。

物語は、小説でも漫画でもそうだが、楽しむためには「潜る」必要がある。潜っているときは邪魔が入ってはならない。邪魔をしてくるのはあらゆる人、音、それからスマホ。一人でいてもあの四角い画面がチラチラ視界に入るだけで読書の邪魔になるのだ。

だから風呂がいちばん。浴室に本だけを持ちこみ、風呂蓋に置いて読む。邪魔をしてくるのは額を流れる汗だけ。汗が垂れてきたら視界を塞ぐし、顎から滴って本を濡らすこともある。これほど残念なことはない。

風呂は最高の読書環境ではあるが、長居しすぎると脱水で死ぬかもしれない。長くとも30分くらいにしておくのがおすすめだ。

そう言いつつ、私はこの日60分読んでいたのだが。

のぼせに注意してね!

✒️✒️✒️

『ダブリナーズ』を読んだ

www.shinchosha.co.jp

20世紀初頭のダブリン市民の様子を描いた短編集。なんでダブリンかというと作者ジョイスの出身地だから。

ジョイスは当時の著名な小説家であった。ずっとスイスやらフランスにいたと思うのだが、アイルランドの小説を書き続けたらしい。『ユリシーズ』がいちばん有名だが、これもダブリンが舞台。あと『フィネガンズ・ウェイク』というラップでできたような小説を書いて顰蹙を買ったらしい。言葉の意味よりも音を重視して音楽的に作った小説なので翻訳不可能だと言われていたが、日本語には翻訳されている。どんだけ日本の文化は厚いのだ。

短編のなかでは『下宿屋』『痛ましい事故』『死せるものたち』がよかった。前二つはかなり短いのにお話としておもしろく記憶に残った。10ページ足らずで「そんな人間もいたんだろうなあ(実在しない)」という感想を得た。

3/12(火)

ハーブは冷凍しておくとよい

『スパイス完全ガイド』でイナダ氏が「ハーブはどしどし冷凍すべし」と言っていたので、そのようにした。今後も種類を増やしていきたい。

はさみでざくざく切ってバットに並べて冷凍処理→ジップロック

冷凍に向かないのはバジル。バジルは生でもすぐ香りが落ちるのだ。イタリア人もプランターからもいで使うので、新鮮なバジルをペーストしたければプランターで飼うほかないのだろう。といっても、ジェノベーゼ以外であんまり使わないのだけども。

🍊🍊🍊

同僚が夜中の足の冷えで悩んでいたので運動を勧めた。私も冷え性で運動はできてないのだが、鍼師に「軽く息があがる程度の運動」を勧められている。いや、できればやりたいのだよ。

そこへ他の同僚たちも集まってきてやんややんやと冷え対策の議論をし始める。やれ湯たんぽだの電気毛布だの。湯船には浸かっているらしいので、すでに対策をしているようにみえた。

運動の話をしていたら筋トレ趣味の人も出てきた。「高負荷トレーニングをしたあとサウナに入ればいいんですよ」とのたまうので「出たなキン肉マン」と返して追い払った。

3/13(水)

スナネズミたちが回し車をケージにぶつける音であまり眠れなかった。

主犯

回し車の向きを変えることで解決した。

🐐🐐🐐

おいしい料理のポイントはいくつかあるけれども、切り方のウェイトは大きいのかもしれない。麺には細長く、スープには細かく。煮物であれば箸でつまみやすいように。この点をよく気をつけないと、簡単に味が落ちるのかも。

そう考えて今日は味噌汁の具をダイス状になるよう意識して切ってみた。フランス野菜スープイーブイはそういう切り方だったはず。

3/14(木)

塩豚がうまい。豚肉をフォークでぶすぶすに刺して塩とスパイスをまぶし、シートで脱水したものである。

赤身:脂肪 = 9:1くらいがうまい

これが冷蔵庫で二週間以上もつのだ。そしてうまい。現代てくのろじ〜をもってしても生肉の保存は難しい。ふつうの肉だと二週間経つともう食べられない。運が悪いとお腹を壊す。それが水を抜いて薄塩をしておくだけでおいしさが維持できるのだ。

この方法が良いのは干し肉とまではいかないこと。カチカチにはならず、ほどよく水分が抜けたくらいで食べやすい。塩辛くもない。ちょっとだけ水を抜いたうえで冷蔵庫の恩恵を受けるから、食べやすさと保存性のバランスが取れるのだと思う。

塩豚を切り落として卵と一緒に焼く、右画像の赤いやつはザワークラウト

毎朝、塩豚と卵をテフロンプレートに乗せて、グリルで焼くと完璧な朝食になる。朝のタンパク質には悩み続けてきたが、暫定のベストがこれである。

🐙🐙🐙

行き先不明の物語を好む

さいきんの読書は非エンタメの物語(主に文学)へ舵を切っている。その理由が結晶化されてきたので語ってみよう。

 

大事なのは、目的地がわからないこと。

行き先が明瞭なのがエンタメ作品である*2。例えば「魔王/仇/悪いやつを倒す」とか「どこそこへ向けて旅をする」パターン。ゴールに向けて寄り道をしつつも進んでいき、伏線はゴールを導くために配置される。その上で読者を驚かせる展開があると盛りあがる。

いつからかわからないのだが、私はゴールが見えていることに満足できなくなった。ゴールを決めた時点でその物語のとりうる選択肢は相当に狭まるのであり、ある程度エンタメ作品を読んできたら「次の展開はこの選択肢のどれかだね」と想定できてしまう。物語のジャンルが定まっているのも良くなくて、忠実にジャンルの文脈を守っている作品であるほど展開の幅が狭くなってしまう。まったく予想できないものが読みたい。

長年、哲学とか思想系の本を読んできたのだがこちらにも飽きつつある。サービスが良くて議論のレベルが高い本は暇をつぶすには楽しい読書になるのだけど、行き先や展開はエンタメ以上にはっきりしていることが多い。学者が「わけがわからないよ〜」となりながら書いたものには行き先不明なものもあるが、あまり出会えるタイプの本ではない。というわけで、「行き先不明で何も起きなくてもよい」とする(主に文学)方面を掘ったほうが私の需要は満たせるのではないか、と思ったのである。

 

「人が書いてる(語ってる)うちに思ってもみないものを吐きだす」という現象は私の好きなテーマである。何度も週報で触れられている。これはもう私の「性癖」みたいなものなので、性癖の赴くがままに従うしかないのであろう。

3/15(金)

家のまわりを走る

運動をどうするかについてずっと悩んでいたのだが、ついに走ることになった。昨日の鍼で「ストレスがひどくて冷えが入っている。頭を空っぽにする必要があって、(やっぱり)運動がおすすめです」と言われたのがきっかけ*3。運動が必要なのはわかっていて一万歩くらい歩くようにはしてたのだが、時間がかかるのが嫌だった。時間のことばかり考えるのは貧しいが、走ると効率的に運動ができて、かつ冷え性の対策になるのは明らかだ。続くかどうかはわからないがとりあえずひと月くらい実験して変化を観察したい。

🗼🗼🗼

文化からは逃れられない

ここ数ヶ月フランス料理とかインド料理にお熱なのだが、なかなかうまくいかない。おいしく作るためにはけっこうな手間がかかるわりに、何か物足りなさを感じることがある。

なんの変哲もないにゅうめん

この日、自炊が面倒になりながらにゅうめんを作ってみた。野菜と鶏肉、きのこと昆布、煮干し、鰹節を煮立てて素麺をゆがいただけのもの。これがたいへんおいしかった。手間に対しておいしすぎる。諸外国料理だとこんな簡単にはおいしくならない。

なぜ簡単なのにおいしいのか?
「育った文化の味だから」ではないか。

 

日本ではどの料理もジャパナイズされて受容される。魔改造というやつだ。でもそれが日本人の口に合うのだから仕方がない。そして料理人も諸外国料理の研鑽を積んだ末に、和食および日本の調味料に回帰することが多い。土井善晴三國清三もそうだった。

料理は文化なのだ。生まれ育った文化の外に出るのは非常に難しい。たしかに練習をしたら外国料理をそれらしく、おいしく作れるのだが、そんなことをしなくても自分の文化の料理ならより簡単においしいものが作れるのである。結局、プロの料理人も諸外国料理を日本風に改造して提供することが多いし、あまり現地の方法にこだわりすぎず、自分に合うように作るのがいいのかもしれない。

*1:https://www.sbfoods.co.jp/recipe/detail/08408.html エスビーのレシピは2人ぶんなのに玉ねぎトマトを350g入れている。水に至ってはイナダ氏のレシピの4倍。加熱時間はほとんど変わらないので、この分量だと4人ぶんできるだろう。いくらなんでも多すぎるので、誤植かレシピが雑かのどちらかだと思われる。

*2:わかりやすさのために文学性とエンタメの二項対立の議論にしているが、実際には両者が混ざり合った小説、漫画、映画があり、比率は作品によってさまざま。

*3:村上春樹が「書くためには体力が必要だ」といって走っているのにも影響されている。総合的に材料が揃ってきて最後のひと押しがされてしまった感じ。

週報 2024/03/10 脳裏のおじゃまぷよを消し続ける生活

3/2(土)

たのしい金縛り体験

たまに金縛り・睡眠麻痺になっているのに気づいた。

布団ではなくソファで寝てると体験できるアトラクションで「息が苦しい!」という感じがしながら幻聴とか幻覚、幻タッチがやってくる。幻聴はテープの早回しみたいな音で何言ってるのかよくわからなかった。「さいしんのうかがく」によると「夢を見てるときに記憶の整理をしており、このときシナプス発火が通常の倍速」だそうな。だから早回しテープになる。幻覚、幻タッチは非常にリアルで良かった。ほっぺたに誰かが触った感触があり、妻氏かと思ったが妻氏はベランダにいた。幽霊さんの仕業である。

ふつうは金縛りを経験すると怖くて寝るのが嫌になるらしい。なんで私がこんなに楽しんでるのかというと、いつものアファンタジアが理由。意識のなかには荒涼とした闇しかないので、幻覚はとっても新鮮で楽しいのだ。

でも身体が動かせなくて息が苦しいのは困る。息だけ自由にできる金縛りがあったら喜んで体験したい。

💣💣💣

『職業としての小説家』 を読んだ

小説家になるための本じゃなくて、村上春樹の小説家人生をふりかえる自伝的エッセイだった。読みやすい文体で、率直に彼の思うところが書かれていた。

いずれにせよ、長く小説家をやっている人間として、実感で言わせてもらえれば、新人レベルの作家の書いたものの中から真に刮目すべき作品が出ることは、だいたい五年に一度くらいのものじゃないでしょうか。少し甘めに水準を設定して、二、三年に一度というところでしょう。なのにそれを年に二度も選出しようとするわけだから、どうしても水増し気味になります
p.71

芥川賞についてのコメント。これくらい率直である。怒る人もいるかも。でも保坂和志もまったく同じ趣旨のことを言ってたので事実であろう。「あれ新人賞やぞ?」ということ。

最初の章に「何らかの賞をとれば商業作家活動の入場券をもらえるが、作家であり続けるのがいちばん難しい。長く続けるには賞を取るのとは別の何かがいる」ということが書かれていた。この本の主題は「いかにして村上春樹が作家であり続けたのか」である。

 

あとはこれがよかった。

読んだ人がある部分について何かを指摘するとき、指摘の方向性はともかく、そこには何かしらの問題が含まれていることが多いようです。つまりその部分で小説の流れが、多かれ少なかれつっかえているということです。そして僕の仕事はそのつっかえを取り除くことです。どのようにしてそれを取り除くことかは、作家が自分で決めればいい。たとえ「これ完璧に書けてるよ。書き直す必要なんてない」と思ったとしても、黙って机に向かい、とにかく書き直します。なぜならある文章が「完璧に書けている」なんてことは、実際にはあり得ないのですから。
p.162

3/3(日)

今日は先代スナネズミの一周忌なのだが、何の因果か新しいスナネズミを買いにいくことになった。心にスナネズミ型の穴が空いて以降「近くのペットショップにいたら迎えよう」と心づもりはしていたのだが、なかなか入荷されることはなかった。スナネズミはレアなペットで扱っている店は少ない。需要も少ないのだと思う。キュートでユーモラスなのに。

一周忌の日になったのはたまたま。妻氏の同僚のケモナー氏が「EXPOCITYの店にかわいいのが入荷したから買うべし」とけしかけてきたらしい。阪急とモノレールでえんやこら移動してみたらよい個体がいたので買ってしまう。本当は一匹だけのつもりが、よく見たら姉妹で売られていたので二匹連れ帰ってきた。

仲良しなのではなく奪い合いをしている

🍒🍒🍒

新規ネズミを迎え入れたのは3年か4年ぶり。令和の新人の扱いがわからなくてあわあわした。ペレットを店のと合わせたり、水飲み器の教育をしたり忙しい。

疲れて昼寝をしてたらねずみのカサカサゴソゴソ音が聞こえてくる。そういえばこういう生活だった。ねずみがいる家というのは。昼寝サウンドはねずみの物音に限る。

🍒🍒🍒

万博記念公園のあたり、広々としていてよかった。京都だとまず見られない広さだ。

なんであんなに広々としているのか。「大阪は空間の使い方が豪勢だ」という話を聞いたことはあるのだが、阪急梅田の豪奢な雰囲気と万博記念公園は同列に比べられない気がする。

3/4(月)

妻氏との共有Workflowyメモにおかいものメモコーナーを作った。

変なものを入れないように

ここにめんだこ、野菜、夢など好きなものを書きこんでいく。

🔩🔩🔩

さいきん長編漫画を見かけない。長編というのは、長く連載された漫画ではなく、数百ページあってそれだけで完結するお話のことだ。小説業界だとむしろこちらがふつう。なぜか漫画業界は連載ぶつ切り形式になってしまった。雑誌を生かし原稿料を配るための経済原理なのだろう。あとどれだけ持つかわかんないけれども。

手塚治虫萩尾望都の長編漫画を読むと、現代の流行りものとは違う漫画体験ができるのに気づく。テーマがちゃんとあって、話をきちんと終わらせるように作られているので連載漫画よりも深みがある。連載ものって無駄に長かったり、その月(週)の作者の体調によって話がつまらなくなったりする。それよりは、完成度の高い研ぎ澄まされた長編を読みたいかもしれない。今や長編漫画は商業漫画にはなくて、むしろ同人誌に残っているのかもしれない。

3/5(火)

新人ねずみたちがペレットを食べてくれない。ペレットとはペット用のカロリーメイトみたいなものである。

食べないのは困るので「ハンストか?」「このペレットがいいのか?」と試行錯誤してみたのだが、一向にペレットは食べなくて鳥の餌の雑穀だけを食べ続けるのだった*1文鳥用の豆、穀物、野菜が入ったもの。本当に鳥の餌である。

ねずみは鳥だった

「これ栄養どうなの?」と思って調べてみるとびっくり。鳥の餌のほうがペレットよりもタンパク質が豊富だった。鳥さんの体を作るのだからたしかに栄養はある。

よく考えてみるとペレットはカロリーメイトである。「毎日これだけを食え」と言われたら私なら発狂する。そりゃあお野菜とか穀物、豆のほうがよろしい。ねずみたちはただ素直に生きているだけなのだ。

これまでのねずみはみんなペレットで飼ってきた。
ねずみ観が崩壊する経験となった。

📼📼📼

文章は書きなおすと読みやすくなる。書きなおすたびにトゲトゲが取れて摩擦のない珠になる。

神話や民俗伝承などの口伝にも「語りなおし」の過程があるのに気づいた。

口伝は音のメディアなので残らない。古老が火を囲んで子供達に話をするとき、その都度語りなおさないといけない。毎回同じようなお話をするわけだが、全く同じになるわけではない。そのときの気分、失念で細部が変化していく。おもしろかろうと思ってお話を変えてしまう人もあるだろう。

こうやって変化することが「語りなおし」による磨きであり、お話を洗練させるのに必要な作業なのである。文章でも同じように磨かなければならない。捨てて書きなおすのである。

3/6(水)

脳裏のおじゃまぷよ

業務の隙を見つけて休みにした。このごろストレスが高めらしいので何もしないをする。
何もしないつもりだったのに、気がついたら確定申告やら靴磨き、包丁研ぎをしていた。ずっと気がかりだった雑事が片づいてホッとする。

 

これも一種のセルフケアなのだろうか。同僚たちはちょくちょく休むのだが、たいてい家族の世話のために休んでいる。そういう休みも休養にはなるのかもしれないが「セルフケア」かというと微妙だ。ある種の労働である。セルフケアできてない人は相当多いと思う。

生活をしてると脳裏に「あれやらなきゃ」が溜まっていく。忙しいとおじゃまぷよが溜まって意識を圧迫する。それを取り除くのが自分のための休みなのだろうか。

消しても消しても降ってくるんですけど〜!

🌮🌮🌮

帯は広告だから捨てていい

本を買ってきた。休日になると買いたかった本が集まってきて勝手にカゴに入っていく。金を使う趣味は料理と読書だけなので「本は無料」をモットーに好きなだけ買うようにしている。本棚の容量と読書スピードがあるので、無限に増えるわけではない。月に5〜10冊程度。

帯だけにすると滑稽だ

買ってきてテーブルに置いといたら帯がうざったく見えてきた。

帯は広告なのだ。本屋の数万冊の本のなかから「我を買え」とアピールするための広告。本来の装丁を台無しにしてくれる。

買ってしまったら帯はもういらない。広告は役目を終えている。帯は全部捨てましょう。

3/7(木)

白菜は飲みもの

スナネズミが給水機の使い方を覚えてくれないので白菜から水を吸っていただいている。スナネズミにとって白菜は飲みものである。彼らは砂漠やステップを故郷としているので、もともと水はあまりいらない。野菜の水分だけで生きられるようにできているのだ。

スナネズミ二匹サイズ

生き物は小さくなるほど大きなものを食べる。🐜が虫や果物を引きずって食べるように、🐭も身体と同じくらいの大きさの白菜を余裕で食べきる。人間が自分と同じ大きさのものを食べられるだろうか。白菜10本、パイナップル5本くらい?想像するだけでお腹がぱんぱんになりそうだ。

🔜🔜🔜

レシピを写経する

本のままだと使いにくいので自分で写経することにした。アウトライナーに溜めてしまう。

レシピデータベースはアウトライナーがぴったり

写経してみるといろいろ良いことがあった。

  • 書いてるうちに少し覚える
  • 書いてるうちにレシピの設計意図を理解する
  • データベースになって一覧できる
  • スーパーに行ってから材料を確認できる

クックパッド等々のレシピサービスではダメで、自分で作ることに意味があるようだ。そういえば昔の主婦は手書きのレシピノートを持っていた。あれも写経だったのだろう。手書きのほうがよく覚えられるはずだが、紙は並び替えや訂正が難しいのが悩ましい。電子化してデータベースにするのがよい。

3/8(金)

稲田俊介のスパイス本を読んでいたら「カレー四天王のスパイスは混ぜて置いとくといいよ」と書かれていた。🫙入りスパイスを台所に並べるなんて、そんな鼻持ちならないことをしていいのか。

カレー粉っぽくなった

でも便利そうなので採用。クミン、コリアンダーターメリック、チリを等量ずつ混ぜておいた。いかにもカレーっぽい色の粉だ。

 

実は一つミスをしていて、チリペッパーパウダーではなくチリパウダーを入れてしまった。チリペッパーパウダーは唐辛子の粉だが、チリパウダーはテクス・メクス料理で使う調合香辛料。味の大勢には影響がないのでそのままにしている。というか分離不可能。

香辛料の名前はややこしいのがもう一つ。ベイリーフベイリーフである。
???
ローリエとカシアリーフと言ってもいいが、ベイリーフあるいはベイリーブスと呼ぶことが多い。どちらも葉っぱのスパイスなのだが、植物的には別種で葉脈の形がぜんぜん違う。なのに名前が同じで匂いも似てないこともないらしい。

スパイスはややこしすぎる。

🍬🍬🍬

水曜日に「忙しいとおじゃまぷよが溜まって意識を圧迫する」と書いたのだが、もしやこれがストレスなのかしら。先週は「ストレスの感覚がわからない」と書いていたのにもう手のひらが一回転してしまった。

*1:鳥の餌はペットショップでおすすめされた

週報 2024/03/03 フォークを持って歩くと変な気分になる

2/24(土)

午後から眼鏡屋へ。完成した新・眼鏡を受けとった。
かけてみると遠くが見えない。なるほどこれが近視の世界。私は本来眼鏡が必要ない視力なのだが、PC作業を楽にするためにあえて遠視設定の眼鏡を作ったのである。

そのままかけて街へ出る。わざわざ目のスペックを落とすために眼鏡をかける人はなかなかいるまい。ふだん見えるものがぼやけて変な感じがする。「ぼーっとできて便利だな」と思った。

 

次に紅茶専門店*1へ行き蓋碗(がいわん)と中国茶、紅茶を買ってきた。蓋碗とは茶器である。蓋が茶こしになる。

ルピシア「蓋碗(がいわん)」を使ってみよう - YouTube

なかなかおもしろい店で、茶についての蘊蓄を語りながら煎れ方を教えてくれた。茶の品質もサービスも良い。気に入ったので足繁く通うことにした。

蓋で茶葉を受けながらカップに注ぐ

📽📽📽

お湯は沸かしたてでなければならない

紅茶屋店主がくれた煎れ方指南書を読むと「給湯ポットのお湯は死んでるから使うな」と書かれている。えっそうなの。
茶というものは湯のなかの酸素が大事で、沸かしたてのものでないと味が落ちるらしい。知らんかった。
たしかに沸かしてすぐ煎れると味が違う。びっくり。

スープ料理も「スープは水のうまさを超えることはない」というしワインも日本酒も水が大事だ。お茶も然り。おそらくコーヒーも。
水ってなんなんだろう。

📽📽📽

前世の記憶

www.shopping-charm.jp

モルモット、うさぎなどの小動物向けのおやつにパリパリサラダというものがあって、やたらとモル様の食いつきが良い。
「そんなにおいしいものなのかな?」と思って食べてみる。

人参などの野菜が原料で人間が食べても安心

にっが。
青臭くて苦くて青汁みたい(飲んだことない)。

 

妻氏は「この味記憶がある……」と言いだした。前世の記憶にちがいない。

2/25(日)

昨日の発見によりお茶がおいしくて飲みまくり。体調が悪いのもあって引きこもって喫茶読書(自宅)としゃれこんでいた。

 

夜に妻氏と「人生暇すぎ問題」について議論していたところ「技術を磨き続けていたら退屈しない」ということがわかってきた。私の場合はたくさん読んでたくさん書いていればよい。お絵かきでも同様。手を動かすのが大事である。

🍥🍥🍥

『みみずくは黄昏に飛びたつ』を読んだ

非常におもしろくて500ページ近くあるのに6日で読み終わってしまった。おすすめ。
私の性格が少し村上春樹に似ているのがおもしろかった。「スン」としていて好き勝手にやるところ、人と比べたがらないところに共感できる。
先輩として見習っていきたい。

二階がプライベート、一階が公的、地下一階が「自意識うじゃうじゃ」、地下二階が???

この本でいちばん大事なのは「地下二階」へ行くくだり。「地下二階」とは人間の深層意識とか無意識とかそういうところにある「何か」のことで、これを現実世界に持ち帰って小説やら何やらで表現するのが芸術一般の使命である。

 

他にも文章の技術的な話とかおもしろい話がたくさんあった。

というのは、僕もかなりたくさん本を読んできたけれど、本当にいい物語って少ないんです、意外に。これだけいっぱい本が出てるけれども、まあ、人によって自分の心を打つ話って、それぞれ違ってくるわけであって、一人の人間が一生のうちに巡りあえる本当に素晴らしい物語というのは、心の核心にまで飛び込んでくる小説というのは、それほど数多くないような気がする。
p.124

 

——そのとき、現実の牡蠣フライを超えたい、みたいな気持ちはありますか。
村上 そうだね。テレビでおいしそうにジュージュー揚げている画面が映るじゃない。そんなんじゃなくて、とにかく字面を見ているだけで、牡蠣フライが無性に食べたくなってくるような文章を書きたい。
——牡蠣フライ超えの意思がある。
村上 うん、現実の牡蠣フライより、もっと読者をそそりたい。
p.405

2/26(月)

朝、安寧のおふとんは泥の沼に。ほうほうのていで這いだし月曜日の朝支度をした。寝つきも悪く、3時ごろに妻氏も私も起きていた気配があったのを覚えている。
原因はカフェイン。お茶がおいしくて調子にのって紅茶を煎れてたら寝られなくなっちゃったのだ。
二日連続でひどいことになってるので、今日こそは青茶(烏龍茶のこと)などで我慢する。するぞ。

🌙🌙🌙

新眼鏡は遠視鏡なので遠くが見えない。
わかっていたが、まさか会議室のプロジェクターの文字が見えなくなるとは思わなかった。文字を読むために眼鏡を外して裸眼で見る。老眼の人みたいだが、遠くをみるためにやっていて逆である。

 

同僚と雑談してると眼鏡のことを聞かれた。
「裸眼のほうがよく見えるのだが、あえて近くしか見えないようにするメガネを作ったのだ」と言うと「なにいってんだこいつ」みたいな目で見られる。

「PCを24時間見ててても目が疲れにくくなるんですよ」
「それはわかる」
「近くに焦点を合わせることで、ピントの合う視空間を圧縮してね」
「???」

結局わかってもらえなかった気がする。便利なんですよ?

2/27(火)

ふぁぼは押すだけなら無料です

たまに「私ってどうせ結婚できないし」みたいなテキストを見かけることがあるのだが、あれってどう答えたらいいのだろう。「そうじゃないわよあなたは素敵よ!」みたいなレスをするのが世間的な正解だとは思うのだが、そこから展開が二つありえる。

「ありがとう」で終わるケースと「いやでも私はダメなの」ケース。
困るのが「いやでも私はダメなの」のほう。何を言っても「いやでも私は……」が返ってくる無限ループに陥って相手をしていると消耗してしまう。繰りかえしているとまわりも学習し「私って……」の時点でスルーするようになる。こうして「いやでも私は……」と返しちゃう人はますます孤独になる。
かといって「ありがとう」で済ませるのもまあ搾取だ。同情の押し売りみたいなことになっている。

 

私は大変な天邪鬼であるようで「構ってくれ」「褒めて」オーラを感じると防御陣営を作りはじめる。
かわいげのある「構って〜」だったら「ふぁぼは押すだけなら無料です」と言いながらポチッとやるのだが、人によってかわいげはあったりなかったりする。なので、基本的には「私は自由です!」と思いながら天邪鬼をやる。

🚔🚔🚔

モルジャンプとピーマンの謎

夕方のモルモットお世話でししとうをあげる。
「当たり」だったらどうしよう。一応毒見をしてから与えた。

案の定*2食いつきが良くて、なぜだろう?と考えたらモルモットの故郷の味なのだとわかった。ピーマンや唐辛子族は南米原産である。ピーマン自体は北米で唐辛子から分化したそうだが、南米には辛くない唐辛子もあったろうから食べていたのではないか。

いやでも、モルモットジャンプをしてもピーマンには届かないのでは?
謎は深まる。嘘かもしれない。カスの嘘として登録しよう。

youtu.be

2/28(水)

フォークを持って歩くと変な気分になる

通勤荷物これだけ

通勤荷物の軽量化を進めていったら手荷物がサーモスのスープジャーとフォークだけになった。この二つを駐輪場まで持っていって自転車のハンドルバッグに入れる。
スープジャーには味噌汁を入れるのだがフォークで食べる。先週まではちゃんと箸だったが、自転車に載せるとカチャカチャ鳴ってうるさいので解雇した。
スープジャーはいいのだが、フォークを持って歩いていると変なことをしている気分になる。そわそわする。スプーンでもナイフでもダメそう。

原付くらいのスピード制限です

🐭🐭🐭

電気ケトルを買った。デロンギのやつ。
沸かしたてのお湯がうまいことに気づいてからコンロで沸かしてお茶を煎れていたのだが、やっぱりめんどくさい。それに危ない。妻氏の着る毛布が火に近づいたことがあった。湯沸かしくらいなら電気で済むので、電気でやるのがよろしい。

 

ケトルを選ぶときに思ったのが「プラスチックの見た目の悪さ」だ。
どうやってもプラスチック製品は安っぽいというか、ある種のダサさがある。金属や硝子、磁器の光沢には勝てない。
唯一の例外があるとしたらスケルトンなプラスチック。ゲームボーイのスケルトンのやつ良かったのだが、復活しないものか。
なんであれ流行ってたんだろう。たしか初代iMacもスケスケだったような。95年くらいの世界的潮流だったのかしらね。

2/29(木)

さいきん白髪が出てきているのだが、なぜか左側だけから出てくる。
一説によると白髪はよく使う脳から生えるらしいので、私は左脳ばかり使っているということである。たしかに言語野太郎なので整合的だ。
となると、最終的には左が真っ白になるのかもしれない。
ブラックジャックか?(逆です)

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自家醸造はプロに勝てない

「万が一、日本で自家醸造が解禁されたら何か醸してやろう」とそのときを待っていたのだが*3、さいきんやる気がない。たぶん本当に解禁されてもビールを一度作って終わりにすると思う。

なぜならワインも日本酒もおいしく作るには難易度が高いから。ワインにはワイン用のブドウがあって一般人は手に入れられないし、日本酒はそもそも仕込みの手順がむずかしい。どぶろくなら簡単かもしれないが、あれおいしいの? つまり、おいしくつくるには技術的な積み上げが必要なのである。プロには勝てない。

これは勝手な印象なのだが、ビールなら素人でもわりあい簡単にできそうである。なぜならビールは工業的な酒だから。麦を糖化させるし、味つけはホップ。煮沸してから醸すので再現しやすいのだと思う。

反面、味が単調になりやすい。だから私は好んで飲まなくなった。炭酸も苦手だし。
そういうわけで、好んで飲まないので仮に解禁されても作り続けないと思う。

3/1(金)

ダビデ像の尻

このごろ京都はどこにいってもフランス人がいる。なんでフランス人だとわかるかというと、フランス語が特徴的な音をしているから。妻氏がフレンチポップを聞くのもあって判別ができる。

この日、ラーメン屋に行くとフランス人男性二人組が券売機と格闘していた。英語メニューはあるのだが、何かわからないことがあるようで店員に質問をしている。
特に焦ってもいなかったのでぼーっと待っていたらフランス人男性たちの尻がやけにもっちりしてるのに気づいた。

そういえば欧州の人は尻がでかいのだった。
ダビデ像のことを思いだしながら、二人の背中を見て待った。

🎾🎾🎾

しいたけ占いのしいたけが「山羊座は三月ヤバいけどがんばって」みたいなことを言ってくる。

「この人はこんなに素晴らしいセンスを持っているのに、人生に対してつい、守りと慎重さを重視しがちになっちゃうから、この人には年に何回か限界を超えさせて、自信をつけてもらおう」と、変な運命をぶっこんでくるのです。
ですから、この時期の山羊座は運命からありがたくも、迷惑な「限界越え案件」をぶっこまれそうな勢いなので、「やってやるよ!」と言って「高速脳みそ回転モード」で乗り切っていってくださいね。

なんの偶然か今月は本当にヤバいのである。巨大な締切りが控えている。
というかすでに限界を迎えていて、鍼では「ストレスで心・腎・肝・脾がダメになってますねえ」と言われる始末。

でもストレスって私にはよくわからないのだ。「ストレスが溜まっている感覚」というのはなくて、ただ「頭が回らないな〜」という事実しか感知できない。いろいろ感覚が足りてないのでその一つなのかも?その結果、いろいろ溜めこんでそのうちダウンする。

そうはいっても締切りは来ちゃうので、身を守りながらやっていくしかない。まさに試練である。

shiitakeofficial.com

*1:ルピシアではない

*2:モルモットはピーマンが大好きである

*3:法改正ではなく政令改正でいけるという話がある

インドカレーにヨーグルトを入れるときの注意

DiDi再現カレーを作っていたときのこと。1週間前にあけたヨーグルトをカレー鍋に投入したらダマになってしまった。混ぜても解消できず、食べるときもダマダマ……。

もわもわが浮いている

 

調べによると、よく混ぜないとダメらしい。

ヨーグルトを加える時よく混ぜてなめらかにしてから加えるとダマになりにくいです。トロトロになるまでよくかき混ぜてみて下さい。豆乳グルトも同じです。
加えてからは煮過ぎず弱火で。

indocurryko.net

よく混ぜてください。以上です。

 

どうでもいいのだが、上記記事のURLが"yoyoguruguru"となってるの最高だと思う。

週報 2024/02/25 しっぽを見るのは犯罪です

2/17(土)

カフェ飯にはイヤホンが必要

お昼に近所の洋食堂へ。開拓である。外食のバリエーションを増やしておきたくて。
このごろ忙しさで自炊に失敗することが多いので、気軽に使えて健康的なものが食べられる店が必要なのだ。「健康お手軽」制約を入れた時点で中華、ラーメン、イタリアン、フレンチ、和食専門店が落ちる。残ったのが洋食堂とかカフェ飯と呼ばれる形態。

真のからあげを食べた

開拓した店は当たりだったのだが、長居する女性二人組が早口で喋り続けているのが気になった。まさにマシンガントーク。内容も恋愛観についてのぶつけ合いといった感じで、楽しくお喋りしているのかよくわからない。互いに話を聞いてなさそう。

そういう会話を聞くのは辛いので、遭遇したときのためにイヤホンを持っておくべきなのだ。カフェ飯系にはかしましいおばちゃん集団も来るので注意が必要である。

🏀🏀🏀

8時間モニタを見るのはふつうではない

眼鏡屋へ。眼鏡が合わなくなってるのでは?頭痛と肩こりの原因でもあるのでは?と思って作り直しプロジェクトを進めている。

用途はPC作業特化にした。左が1.2あるところへあえて遠視的な矯正をして、1mくらいまでしか見えないようにする。

「毎日8時間モニタをみる生活をしているので、遠くまで見える必要がないのだ」
処方箋をもらうとき、眼科でそう言ったらドン引きされた。

1mより遠くが見えない生活、どういうものなのか想像できなくて不安である。ド近眼のプロである妻氏は何が不安なのかわからない様子だった。

🏀🏀🏀

道具は美しければよい

いらない調理器具を買いたくなることがある。実用性はどうでもよくて、道具として美しければそれでいい。

例えば菜切り包丁。野菜を切ることに特化した和包丁で、他の用途には使えない。でもシルエットがいいのだ。前から欲しいのだが、明らかに使わないので買っていない。使うにしても今ある包丁と競合してしまう。

www.kai-group.com

今日もハンズをうろつき、最終的に茶さじを買った。これは本当に使うもの。キッチン用品コーナーに行って何か買って帰れるとうれしい。

 

あ、調理用ピンセットは美しくて実用性抜群なので十本持っていても良い。おすすめ。

2/18(日)

自動リラックス職場

久しぶりにびよーいんへ。忙しいことを見越して前回は短めに切ってもらっておいた。そのバッファも食いつぶしてしまったので、諦めて出頭。みじかみをえた。

 

妙にいいにおいがしたので「何のフレグランスを使ってるんですか?」と尋ねてみる。

サブカルクソにおい棒*1は枯れてるし、最近は何も使っていなくて、シャンプーとか精油を使って仕事をしていたら、このにおいになってしまう。お客さんにも娘にも「このにおいなに?」と聞かれるが、本当に何もしていない」

とのことだった。業務をしてるだけでリラックスできるなんて。羨ましい。

🏢🏢🏢

DiDi再現カレー

妻氏はこのごろミニベロ整備にお熱で、今日も部品や工具を買うべく走り回っていた。喫鴨川もしているようで羨ましいことだ。

ついでにDiDiに寄ったらしい。我が家いちおしのカレー屋である。以前にもイナダシュンスケのエッセイを交えて紹介した。

 

DiDiは自宅再現のためのスパイスセットも売っていて、妻氏が買ってきてくれた。

「これの素性を明らかにすれば完全再現できる!」と思ってDiDiカレー粉をぺろり。

う〜んよくわからない。胡椒、ターメリック、クミンシード、コリアンダー、カルダモンはわかるが、残りがよくわからない。むねん。

なんなんだこの粉は

作り方はふつうにインドカレーだった。

  1. 玉ねぎ、にんにく、生姜を刻んで炒める
  2. カレー粉を入れる
  3. 1と同時に鶏もも肉に焼き目をつけるように焼く
  4. 2のフライパンに3の鶏もも肉、ヨーグルト、水、野菜をいれて長時間煮こむ
  5. 最後にガラムマサラと塩で調味

典型的なインドカレーと違うのは鶏もも肉をマリネしないところくらいだろうか。焼き色をつけるためなのかもしれない。ヨーグルトがまぶしてあると焼き色はつかない。

具を入れるとインドカレーは見栄えがしなくなる問題

秘密はスパイスの調合にあることがわかった。聞いたらふつうに教えてくれそうなものだけども、自分で試行錯誤してみたい。そういうゲームだ。

2/19(月)

コンピューターにMPを吸われている

仕事に疲れてソファで虚無をやる。寝ていない。寝てないぞ。

疲れてしまうのはモニタを眺め続けているから。今まで当たり前にやってきたけれども、緊張性頭痛がでるようになってから消耗の激しさを自覚するようになった。

コンピューターは人間の魔力とかMPとかそういうものを吸うに違いない。増え続けるメンタルヘルス諸問題も半分くらいはコンピューターに問題があるのではないか。

失ったMPは散歩とかモルモットつんつく、食事などで回復される。ソファで虚無をやるのもその一種だ。

 

コンピューターはリモートで仕事ができるほど便利な道具だが、その反面浴びせられる情報が多すぎる。情報量が我々を疲れさせるのである。

人間の脳は視界に入る情報を常に処理していて、意識に上らなくてもシナプスでシャカシャカ計算し続けている。だから「なんか今自分の名前が書かれていた気がする」みたいに気づくことができるのである。

そんなものは見ているだけで疲れるはず。本当に疲れてるときは文字も動画も視界に入れてはいけないのだと思う。だから自律神経をやると「散歩をしろ」「森へいけ」みたいな話になるのだ。

 

そういえば以前「画面が狭いほうが原稿が進む」ということを書いた。これも情報量が少ないほど集中できるという原理であろう。

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我が家には妖刀がある。

持つものを狂わせるナイフ

左の二本。有次*2の牛刀とペティナイフである。よく切れる。

おそろしいことに、この包丁を持っていたら自分や人を刺す想像をしてしまう。切れ味がすごい上に、包丁のシルエットが細身でシュッとしているから「めっちゃ切れるで!」という印象を与えてしまうのだと思う。

でも、美しい。美しさと怖さが同居するような道具は良いものだと思う。

🚲🚲🚲

『外国語学習の科学』を読んだ

第二言語習得論とは効率的な外国語学習を目的とした学問である。心理学と社会言語学を応用した領域。

で、どうやったらいいのか。

  • インプットをたくさん、毎日少しずつアウトプット
  • 外国語を聞きながら文法の解釈もしてみる

この本で言われるインプット量は、おそらく我々の想像よりだいぶ多い。たぶん多ければ多いほど良い、まである。ただし興味が持ててある程度知識があるものを聞くこと。だいたい内容が理解できて、未知の単語も類推できるくらいの難易度がよい。

おもしろかったのは「言語はルールでは割り切れない」というところ。正しい文法規則と単語を組み合わせただけだと自然な言語にならないのだ。「昨日知らない人が私の財布を盗みました」みたいなやつ*3。実際に使われる言葉には無数の例外があり、それを文法として記述しきることはできないのだ。

2/20(火)

夢の神に願うとサボれる

夢に同僚が出てきてDJをしていた。隣の席の同僚である。多趣味でいろいろやってる人だからよく登場していろんな役をやらされている。私の夢のなかで。

そのDJイベントは身内でやるようなもので、私も出番があるようだった。同僚の次が私の番。同僚はたまに音を止めてしまっていたが、それでもちゃんとやっているようだった。

私はDJなんかやったことない。このごろdjayというアプリを入れてApple Musicの曲をautomixさせてはいるものの、自分で曲を繋いだことはない。いまだにアプリの操作方法すらわからないのだ。

「困ったな〜出たくないな〜」と思いながらこれが夢であることに気づいていた。そこで一計を案じる。
夢の神かに「どうにかして出番をキャンセルしてくれ」と頼み込んでみた。

するとそのうち画面が変わって、ソファでぐったりしている自分がいるのに気づいた。40℃の熱が出ていて流行り病にかかっているらしい。

こうして無事に出番をサボることができた。

📦📦📦

会議でのこと。

「この工夫をすれば、1ふわねこ週の工数が空くじゃないか。何をさせよう」と同僚に言われ、とっさに「寿司でも握ります」と答えた。

もちろん握れない。

2/21(水)

見るべきものは少ない

このごろ私を悩ませている緊張性頭痛の原因を考えてみる。何かを凝視し続けていると目首肩が凝って血流が悪くなり、頭が重くなるのではないか。

私にはなんでもしっかり見る癖があるようで、無意識に目のまわりに力を込めている。文字が好きだしよく見えるからだと思う。両眼で1.0近く出てしまう。妻氏は0.5しか出ないメガネをかけているので、いつもぼんやりしている。
街を歩きながら「あの張り紙みた?」と聞いてもだいたい「なにそり」と言われる。私はあらゆるものをじっくり見ていて、そのせいで疲れるのだ。

よく考えると目が良くてもそんなにいいことはない。縄文時代に文字はない。多少目が悪くても罠が作れたら狩りはできる。現代社会では道路も文字だらけだが、車を運転しない限りは文字がはっきり見えてなくて良い。歩行者は信号と近づいているものに気づけたらそれでいい。

 

街の中だけでなくディスプレイやスマホを見るときも真面目、不真面目モードを使い分ける。どうせタイムラインに大したことは書かれていないし、重要な情報なら名前と同じように光ってみえる。ほとんどの情報はぼや〜っと薄目で見るくらいでよいのである。

🔌🔌🔌

Slackに「まめちしき: 蟄居は蟹ではない」と書いたら🦀のリアクションが全種類ついた。みんな暇なのかね。

2/22(木)

朝、同僚を駅で見かけたがあえて回避。柱に隠れる。まだ頭が人間モードじゃないのだ。あーうーしか言えない状態。冷え性の朝は遅い。

出社し、席についてもSlackのログを読まない。チャットログも人間モードが必要。

なのにコードは読めた。プログラミング言語人工言語でそんなに複雑じゃあないから。

つまり頭が起きてきたら人間モードになるのである。人間は複雑な存在である。

🍑🍑🍑

レモンが便利。家にあるとマリネに使えるし、輪切りにして紅茶に入れるとうまい。見た目もよろしい。柑橘はえらいやつだ。

じつはコーヒーにいれてもよい

🍑🍑🍑

しっぽを見るのは犯罪です

あらゆる人間に興味があるのだが、人間と喋るのは面倒、という話をしていた。

人間にはざっくり意識上の部分と意識下の部分があって、私が興味を持っているのは意識下のほうである。その人の根っこみたいなものが無意識の深いところにあるイメージ。そこを知りたい。もちろん自分のも。

 

でも簡単には見せてもらえない。というか、根っこについて自分で把握してる人なんかほとんどいない。説明できるほど内省してる人は稀だし、わかっていても深い関係にならないと教えてもらえない。言語化能力も必要で、言葉を磨かないと語れない。

私は根っこが知れればそれでいいので「催眠アプリを使って無意識さんに喋らせたらどうか」とも思ったが非倫理的すぎる。
そんなことをしたら私は即座に逮捕処刑されるであろう。

 

あれかな。耳と尻尾が生えた獣人の国ではなぜか尻尾を見せるのが失礼とされているのに、私は異常に尻尾を見たがっていて収監されかねない、みたいな話。
いや違うんですよ、文学とか芸術の世界では尻尾が問題になっているのです。

2/23(金)

イデアと言うのにプラトンが関係ないことがある

天皇誕生日により休み。未だに12月23日の休みが2月に移動したことに戸惑いを隠しきれない。

 

朝から晩まで『みみずくは黄昏に飛びたつ』を楽しく読む。川上未映子村上春樹の対談本。

哀れ川上未映子

村上春樹は『騎士団長殺し』に「イデア」という用語を出したのを川上未映子が『国家』を読んでまで解釈しようとしたのに、村上春樹本人はプラトンとの繋がりを意識してなかったくだりが良かった。「正しい」解釈なんかどうでもいいことがわかる。

🌱🌱🌱

きょうの料理

昼にスープを作る。野菜と肉を煮たもの。

そこからどう進化させるか迷ったが「マカロニと牛乳とマスタードを入れよ」と私の中の直観音様が言ったので、その通りにした。

結果、たいへんうまいスープになった。慣れた料理ならばレシピなんかいらんのである。

シチューみたいな何か

夜はビリヤニ。ヨーグルトマリネの方式にした。米に翼が生えて吸いこむように食べられるが、食後は血糖値乱高下に苦しむことになった。

ビリヤニとサラダ

🌱🌱🌱

クヨクヨしない小説を探していく

『みみずくは黄昏に飛びたつ』に「日本の「純文学」は近代的自我とかエゴの葛藤にこだわりすぎ。僕(村上春樹)はおもしろいとは思わない」ということが書かれていて、いたく共感する。

地下一階のクヨクヨ室を評価しない話

私がたくさん本を読んでおきながら(日本の)小説には手を出していないのはその辺りの事情があった。私小説的とでもいうのだろうか、人が葛藤してクヨクヨしてるさまを読みたいとは思わない。

村上春樹のこの発言により、海外文学にはそうではない作品があるのを知った。そういえば『百年の孤独』も近代的自我が問題にならないな。

 

「本当に素晴らしいと思える小説は人生で五冊あるかどうかだと思う」という発言も励みになる。合わないものは合わないので、積極的に選別しながら小説のほうも探索していこうと思った。

なお、村上春樹の対談・エッセイは好むが小説の文体は好きじゃなかった。文体とは不思議なものである。

*1:リードディフューザーのこと。美容師がそう言ったわけではない

*2:刀鍛冶がルーツの包丁屋

*3:日本語では「知らない人」という主語を入れず、単に「昨日財布を盗まれた」と言う

週報 2024/02/18 アファンタジアと内なる声の問題、料理にも学習曲線がある、緊張性頭痛にはアルコール

2/10(土)

朝から晩までなんとなくやる気がなかった。平日に根を詰めて労働してたので仕方がない。外に出るのは諦めて家で休んでいることにした。昼寝しまくり。ぐうぐう

こういうとき身体は嘘をつかない。ここで無理に動いちゃうと鬱とかになるのかもしれないな。

すべてのやる気がないのだが自炊はがんばる。食べなければ回復できない。外食という選択肢もあったが、野菜を大量に食べたかった。水曜日あたりから自炊に失敗しており野菜不足の気配がある。野菜が回復に資すると信じ、ワインの助けを借りながらキッチンドランカーの勤めを果たした。

🛳🛳🛳

他人の意識・記憶の仕様が気になる

引用も興味深い。映像的な思考を持った人間にもいろいろあるのがわかる。なんでこれで相互に会話ができているのだろう?言葉と対応づけられる各人の思考様式がバラバラなのに、我々は会話ができているようにみえる。実は会話が成立していないことも多いのだろうか?

2/11(日)

ちょっと元気になって外に出た。本屋へ。川上未映子村上春樹の対談本『みみずくは黄昏に飛びたつ』と森見登美彦ペンギン・ハイウェイ』を買った。いつ読むのかは不明。

それから自転車屋で車体につけるバッグを購入。リュックなしで通勤できるようにした。

ここに弁当とかを入れてリュックをなくす

ラーメンを食べ、スーパーへ寄ってから帰る。
すぐに寝落ちした。やっぱりまだ疲れているらしい。

🐔🐔🐔

料理にも学習曲線がある

レシピがなかなか増えないのが悩みである。例えば、ビリヤニを何度か作ってみてもその方法が手に馴染まない。何回かはレシピ本を見ながら作らないといけない。最初にレシピを見ながら作るのはいいのだが、二回目、三回目もレシピを見ながらというのは面倒だ。それが嫌で二回目、三回目が作れず身につかない。

なんとかならんものかと思って、レシピの内容を丸暗記しようと試みたが、妻氏と違って画像記憶もできないので無理そうだった。それこそVision Proでその辺にレシピを浮かせておくしかなさそう。

なんでこんなに新しいことを覚えるのは大変なのか。近道はないものかと思案したところ「料理も学習である」ことに気づいてしまった。

つまり何回も作るしかないのである。いろいろな料理を毎回アンチョコを見ながら、作って身体に覚えさせていく。これしかなくて、近道はないのだ。

作ったあとに都度ふりかえるのは有効かもしれない。手順を復習したり、調理中に気づいたことがあれば考察してみたり。学習であるのだから復習が有効なのも同じである。

2/12(月)

観念してYouTube Premiumに加入した。今やあらゆる知識は動画インターネットに埋めこまれていて、動画からしか得られないものがある。

広告がない環境は快適で、これまで広告が嫌でYoutubeを避けていたところがあるのを自覚した。あらゆるサービスにはコストがかかるのだから、対価を支払うのは仕方がない。

 

こうして自由な動画インターネットを手に入れていっぱい動画をみた。得られたのは以下の知識。

  • レシチンやキサンタンガムでペペロンチーノの乳化を試みてもうまくいかない。マスタードみたいな天然の乳化剤は単純な物質よりも複雑なはたらきをしている。
  • クミンが胃腸の不調に効く。お腹のガスをとるはたらきもあるらしい。コリアンダーも身体を暖めるので、カレーは冷え性に良さそう。毎日食べたい。
  • Indian Chineseという料理があって現地でも人気。シェズワンソースが必須なようだが、大量の唐辛子を使うので我々には真似できない。尻が燃える。*1

🔨🔨🔨

Vision Proのレンズどうするのか問題

日記と料理のためにVision Proを買うつもりでいるのだが、眼鏡をどうしたらいいのか気になっていた。

いろいろ調べて回ったが、US Apple Storeの注文ページをぽちぽちしてみるのが早かった。まず最初に顔の形をスキャンするステップがあり、その次に眼鏡の有無を聞かれる。するとこんなフォームが出るので眼鏡の矯正の種類を選べばよい。

近く / 遠く / 両用が選べる

レンズの矯正パラメーター S/C/Axis/Addは注文後に入力するらしい。北米だと医師の処方箋が必要なようでけっこうハードルが高い。日本だとどうなるのかは不明。

さらに詳しく調べる。公式ドキュメントによると必要な矯正情報は下記のとおり。

Your distance correction needs and/or your near correction needs, indicated separately but on the same prescription sheet. This is known as the full manifest refraction by eye care providers.  

気になるのはnear, distanceが具体的に何mなのか。北米だと法令か何かで定義されてるのだろうか。personalizeをしっかりやる製品なので、具体的情報を出してほしいものである。

2/13(火)

水加減は難しい

在宅勤務の日。会議祭りのあとリファクタリング実装をした。

お昼にインド風焼き飯を作る。タイ米を茹でクミン、コリアンダー等々であれした肉野菜と合わせる。どうやってもうまいやつだ。

べちょいけどおいしかった

でも失敗した。タイ米由来の水を揮発させられなくてべちょべちょになった。料理は水の管理が難しい。

togetter.com

そういえばこういう話もあった。料理の難しさランキング一位が「塩加減」なら二位は「水加減」である。

⌛️⌛️⌛️

アファンタジアと内なる声の問題

同僚との雑談(1on1)で「ドキュメントを読みながら人の話を聞けるか?そのとき頭のなかで何が起きているのか?」と聞いてみた。

同僚は「読むときに頭の中で声を再生するから、読みながら聞くことはできない。音声のチャンネルが混線しちゃう」と言っていた。

一方で妻氏は「簡単な文章だと声はしないが、難しい本や小説だと声がする」とのこと。

https://twitter.com/mineotakamura/status/1756128640025383172 より3ポスト

文学者の髙村氏はこう言っている。

 

ふつうは「声」がするようである。文章の難易度と文脈によっては「声」があったりなかったりするが、小説みたいな明らかに人が喋っているシーンだと「声」が入っているようだ。

「〜ようだ」と言っているのは私にはこの「声」がないからである。小説だろうとどんな文章だろうと「声」が聞こえることはない。それがふつうだと思っていた。

もちろん原因はアファンタジアで「イメージ」もなければ「声」もないのである。これは生まれつきの脳の仕様なのでどうしようもない。

 

そういう事情で「読む」と「聞く」は別物だと思っていた。会議で同僚が人の声を無視してラップトップの画面にかじりついていても、読みながら聞いているものだと思っていた。

同僚を真似して私も「読みながら聞く」姿勢で生きてきたのだが最近になって「読みながら聞く」のは無理なのでは?と気づいたのである。それで同僚に質問をするに至った。

アファンタジアには「声」がないのになぜ読みながら聞けないのか。「声」が意識に届くかどうかにかかわらず、言語処理は言語野を使うからである。言語野はふつう左脳の耳の近くにあって、一人あたり一つしか持っていない。読むときも聞くときもここを使うので、人間の仕様としてそうなっているのだろう。目と耳から入るコンテンツの平易さによっては同時処理もできるかもしれないが、ふつうは片方が言語野を占有するのである。

 

という、ふつうの人にとって当たり前のことに気づくのに30年かかってしまった。いかに自分の認知特性が自明視されるかがわかっておもしろい、と同時に恐ろしいことだと思った。

2/14(水)

緊張性頭痛

このごろ後頭部とか目のまわりがじわじわする。痛みというほどではないが、孫悟空の緊箍児がついていて締めつけられてるな〜という感じ。12月頃からじわじわしてたので気にしてなかったのだが、今週になってからちょっときつい。

頭痛の種類について調べたところ「緊張性頭痛」がピッタリ当てはまる症例だった。原因は自律神経の乱れとかストレス。なーるほど私はいま仕事の締切前である。そのストレスでやられているのだろう。

対策はリラックスしかない。いやそれが難しいから困ってるのだよな。こういうときこそ鴨川が必要なのかも。春めいて来たし、鴨川で虚無をやるべきである。

ア゛ーーーー

🚧🚧🚧

ペースを明け渡してはいけない

さらに内省をしたところ「マイペースさが失われている」という洞察が出てきた。私はマイペースな人間で、自分の好きなペースで仕事を進めないとストレスが溜まる。けっこうのんびりしていて、焦らされるとダメ。

なのにこの頃は「世間(同僚)に合わせていかねば」みたいなことを考えていたらしい。自分を曲げて世間ペースでやろうとしたから無理になってるところがあった。

でも気づいたのでもう大丈夫だろう。言語化は最強である。

🚧🚧🚧

「自走能力」とはなにか

シャチクの仕事の能力評価に「自走できるか」みたいな項目がある。「あの人は指示しなくてもいい感じに進めてくれて最高だね〜」みたいな。

「この能力って何が本質なんだろう」と疑問に思い妻氏と議論してみた。

「自走」で求められているのは「海に小舟で漕ぎだして目的地にたどり着く」ようなものである。洋上で現在位置を知り、目的地へ移動するための航路を計算しないといけない。航海術という知識や現状を客観的に観察する能力が必要になる。

大事なのは「目的地に着くために何をしても良い」ということ。北極星を頼りに進んでもいいし、GPSを使ってもよい。ちょっとくらいなら寄り道をしても良い。あんまり締切に遅れると困るけども。細かいルールが設定されることもあるが、そういうときはそれを守るだけ。決まってないのであれば何をしても良い。海賊行為はしちゃダメ。

「自走」するためには「自分はある程度自由である」という認識が大事なのかもしれない。自由であることに認識は「指示待ち」と対極にあるものだ。

本質は、航海術みたいな知識ではなく「目的を達成するためには(ルールを破る以外の)何をしても良い」ということの認識だと思う。

2/15(木)

体調がやばい気はしていたのだが、いざ鍼へ行ってみると「五臓が全部ダウンしてる」と診断された。足もお腹も冷えてるし首筋もガチガチ。後頭部の筋肉が凝ると目とか顔に影響が出るらしい。緊張性頭痛の原因である。

原因がストレスなのはわかっているので、いろいろと手を打つ。PC用の眼鏡を作り直したり、酒を飲んだり……。

酒でいいのか?とは思うのだが、酒がストレスに効くのは歴史的にも明らかなので、適度に使っていくとよかろう。

幸いアルコールにはめっぽう弱いのでほとんど飲めないまま寝ると思う。

🐰🐰🐰

朝食を米にしてからずいぶん調子がいい。

  • これまで: お昼になってもあまり空腹にならず、頭の調子も微妙
  • いま: 午前業務の頭の立ち上がりが早く、空腹にもキレがある

空腹のキレってなんだという話はあるのだが、空腹にはキレがある。胃腸が弱い人にしかわからない感覚かもしれない。

米もパンも精白された炭水化物であることには変わらないはずなのだが、私には米しか合わないようである。これまでパンとかそうめん、ウインナー、ハム等々朝食メニューには悩み続けてきたのだが、ようやく落ち着きそうな感じがしている。

今のベストメニューは

  • お米少しと納豆
  • 塩豚と目玉焼きをグリルで焼いたやつ

である。時短で栄養もあっておすすめ。

2/16(金)

体調が良くないのでゆるゆる在宅勤務をしようと思っていたのに、予定外にがっつり働いてしまった。

それでも18時に気合で退勤して散歩に出かける。昨日は一昨日は春の匂いがしてたのに、また冬に戻ってしまった。とても困る。

🐠🐠🐠

過酷な労働により緊張性頭痛が出てたのでワインを飲んだ。なんとなく。

飲酒によるふわふわ感が頭の筋肉の緊張と真逆な現象に思えて。

緊張性頭痛について - 伊月病院

と、思ったら本当に対処法だった。うーんいいけどよくない。

週報 2024/02/11 テキストエディタは条件節を横に並べるべき、マスタードでパスタがうまくなる、私の汚い字 vs 最新AI

2/3(土)

このところ疲れというかストレスが多い。仕事の締切りが近づいているのが原因だと思う。ややピリピリ。

というわけでお昼は中華に。ストレスは脂溶性なのだ。

チャ

おいしくいただいたが身に余る行為となり夜までお腹のもよもよ感を抱えて生きることになった。

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ドメイン島巡り社員旅行説

先日のDPZリンク集」記事を読んでいたら「ドメイン島巡り」というコンテンツを見つけた。

islanddomains.earth

ドメイン島巡りとは何か。例えばマダガスカルを訪れたレポートでは

我々ドメイン探検隊はそんなマダガスカルの魅力や食文化、動植物の魅力を探ってきました。マダガスカルに割り当てられているccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は「.mg」です。

https://islanddomains.earth/mg/

という書きだしから始まる。ドメイン島巡りとは、ccTLD(日本だと.jp)を持つ島国を訪れて観光する企画なのだ。
えっ予算大丈夫?下手したら100万円くらいかかるやつでは?

どめいん島巡り☆人物紹介|4コマ漫画:どめいん島巡り

なんでこんなことが可能なのかと思って調べてみるとISP企業インターリンクの社長が主催者であることがわかった。パーティーは社長ほか社員の四名。

もしかして: 社員旅行

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水菜なめくじ氏塩の柱になる

サラダ用の水菜を買ったらなめくじがついていた。なめなめ

糞などに気をつけてよく洗う。なめくじと言えば寄生虫である。それもけっこうやばいやつ。でも洗えばいいのだ。なめ本体と糞便さえ残っていなければよい。よっぽど心配なら加熱調理すべきだが、野菜に虫はついているものなので覚悟するしかない。飲食店のサラダも同じなのだ。

画像小さめでお届けします

数時間後に流しをみたら、まだなめくじ氏がいた。ゴミうけから上ってきたらしい。

別にそのままでもいいかな〜と思いつつ妻氏に報告したら、翌日塩の柱にされているのが見つかった。南無。

2/4(日)

読むのにExcelが必要な漫画

なぜか朝からワンピースを読んでいた。もともと100巻くらいまでは読んでいて、残りを読んで最新話に追いつくことにした。なんとなく読んできたし終わりを見届けようという心持ち。しかしこの調子だとあと数年は続くのではないか。

設定が多すぎる漫画なので、漫画そのものを読むよりも各話解説のブログ記事を読むほうがよく理解できる。数十巻前に出てきた設定やキャラが参照されても困る。

尾田氏や解説ブログの人たちはExcelでキャラと事件を管理してるに違いない。

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マスタードでパスタがうまくなる

パスタにもサラダにも乳化剤が役立つ

なんとなくお昼のパスタにマスタードを入れてみたらソースが最高の状態になった。よく乳化している感じ。

調べてみるとマスタードはマヨネーズ作りにも使えるほどの乳化剤らしい。フランス料理のソースでよく使われるわけである。

乳化してるとだいたいうまいので洋風料理には気軽に入れてまぜまぜしたらよいのではないか。

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投票の秘密絶対守るくんの魅力

午後は投票へ。空いていて3分くらいで出てこれた。なんでこんな簡単な手続きなのに投票率は低いのだろうか。

https://www.musashinet.co.jp/department/election/station-supplies.html より引用

投票所でいちばん好きなのは投票記載台である。金属製の箱が並んでいて隣から見えないようにしているのがよい。「絶対に秘密を守るぞ!」という気概が感じられる。

電話ボックスみたいなブースのほうが秘密が守れるじゃあないか、とも思われるがあの手の密室は逆に窮屈で居心地が悪すぎるのである。絶対に秘密守る感と経済性のいいとこ取りが現在の仕切りであろう。

2/5(月)

朝食タンパク質の変遷〜塩豚編〜

塩や香辛料をまぶして水を抜く

豚肩ロースに塩をしてピチットシートで脱水させたものを削りながら食べている。

いわゆる塩豚だ。パテだのウインナーだの朝食に迷った結果、今は塩豚をやっている。パテもうまいのでまたやりたいがやっぱり大変だった。

耐熱テフロン皿を使いグリルで焼くとすぐ食べられて便利

もっと楽にしたかったら塩処理しない手もある。でも一週間ちみちみ食べようと思ったら保存処理はしといたほうがいいような気もする。

塩処理しておけばショルダーベーコンにも変身させられる。うっかり買ってしまったチップが余っているので、そのうち余り塩豚をベーコンしてみよう。

朝食タンパク質の悩みがこれで終わるといいのだが。

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電子的なシステムは物理媒体で穴が空く

お仕事Slackでふざけて「五条LRT早期実現!」とか言って遊んでいたら真面目にオーバーツーリズム対策の制度設計をする議論になってしまった。

結論は「マイナンバーで公共交通機関に乗る」方法。地元住民を金銭的に優遇し、旅行者から多くとるようのに、マイナンバー連携が考えられる。

ちゃんと導入事例もあって、同じような目的で使われているようだ。

www.yomiuri.co.jp

 

問題は住民割引で回数券などが買えるケース。旅行者よりも安価になるので、転売が可能になる。京都駅前のチケット屋で地元住民が転売した回数券が売られまくるようになるだろう。

対策として、何らかの方法でいたちごっこに持ちこむことは可能だろうが、物理媒体を介する限りは抜け道が残るだろう。電子的なシステムは物理に弱いのである。

2/6(火)

人の顔を見る方法で会議に集中できるようになった。

同僚たちはまだまだ画面ばかりみている。きっと聞いていないに違いない。

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捕食の喜び

干し鰯一匹100円未満

魚の背に食らいつく喜び、というものがある。鰯をよく食べるようになって知った。

これまで切り身の鰤だの鮭だのを食べてきたのだが、鰯みたいな小魚、なかなか良いものである。丸焼きにして頭と尻尾を掴み、背中からがぶりといく。小骨は飲む。

この乱暴で動物的な食い方がたまらないのだ。「捕食の喜び」みたいなものがある。生命を食べている感じに満ちているのだな。

無論、鰯だからうまいという話はある。これほど脂が乗った魚は多くないだろう。淡泊な魚だとかぶりついてもさほど嬉しくないかもしれない。

捕食

2/7(水)

このごろ自転車で移動してると雨に降られる。
昨日は行きで降られ、今日は帰りで降られた。晴れてるのに水がぽたぽた落ちてくるのだ。目に入るしコートは濡れるしたまらない。

2月ってこんな気候だったかしら。なんか違う気がする。

暖冬でめちゃくちゃなのだ。このまますぐに花粉が爆発し、移動するたびにフガフガするのであろう。

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テキストエディタは条件節を横に並べるべき

いつものように業務プログラミングをしていて「ifブロックは読みにくい」ということに改めて気づいた。

どういうことか。

左がコードで右が出力例

図示したるはFizzBuzzと呼ばれるコード。プログラマの入門者向けの課題としてよく出される。

「1から数字を数えあげて3で割り切れるときにFizz、5で割り切れるときにBuzz、3と5で割り切れるときにFizzBuzz、それ以外はそのまま数字を出力」すれば良い。地味だがプログラミングのエッセンスが詰まったいい問題である。

 

ifの読みにくさの原因は「上から下」という読み方に例外があるからだ。「上から下」に「時系列」と「条件の列挙」の二つの意味が入ってしまっている。
「時系列」とは「上から下に順番に実行される」という性質で、「条件の列挙」とはifとelseのブロックがズラズラ並んでいるさまのことである。

なので「上から下」というコンテキストに「時系列」の処理順の意味だけ込めておいて、「条件の列挙」は「左から右」に読むようにしたい*1

if, elseブロックは横に並べてほしい

誤解しないで欲しいのだが、文法を変えろと言っているのではない。文法ではなくテキストエディタのUI/UXの問題である。
変わって欲しいのはIDEとかvim, VS Code, Githubの表示。文法とソースコードはそのままで、表示するときだけ横並びにしてくれたらそれでいい。エディタの場合はプラグイン機能だけで実現できるかもしれない。

ディスプレイも広くなってきたし、そろそろ空間を二次元に使ってはどうだろうか。

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『ヨーロッパ退屈日記』を読んだ

伊丹十三の欧州生活エッセイ。フランス、英国のブランドものや文化を賛美する内容だが、文章が上手なので嫌味なく成立している本。

 

めちゃくちゃ口が悪くておもしろかった。「このミドルクラスめ」「マンモス東京という、無定見の塊みたいな、穢らわしい町の姿が、こういう筋の通らなさを育てているのであろうか」みたいなことが延々と書かれている。
今この文章がウェブに出たら大炎上すること間違いなし。でもエッセイは口が悪いと良いところがある。

 

不思議なことにこの本は読んでもあまり得るところがない。残らないというか。洞察は大したものじゃなくて観察したこと、伊丹十三の美意識がただ語られているだけなのだ。だから読んでも「フーン」となって我々の生活意識を変えるに至らない。

実際に伊丹十三は自分のことを「空っぽ」だと言っている。自覚はあったのだろう。当時に日本人としては珍しい価値観だったかもしれないが、セレブの間ではふつうの話だったのかもしれない。

そんなある種「無内容」な本なのだが文章が巧すぎるのでエッセイとして成立している。伊丹十三の性格もサバサバしていていやらしさがないし、語りの技術は唯一無二である。

2/8(木)

疲れのあまり煮豆を焦がす

気候の影響で疲れているところに2時間の超高難易度会議。
脳はプリンになった。ぷるぷる〜

そのまま仕事をしながら夕食の豆を茹でていたら香ばしい匂いがしてきた。いい匂いだなあ。

ではない。焦げてた。水分がなくなって鍋底が真っ黒に。火事チャンス!

即座に退勤し、火と刃物の取り扱いは妻氏に任せることにした。

🍠🍠🍠

私の汚い字 vs 最新AI

万年筆の書き味が好きなので日記や週報の原稿を紙とペンで書けないか、と思った。

「最先端のOCRの力をもってすれば、私の汚い字でもかんたんに電子化されるのではないか。頼むぞエーアイ大明神。私はきれいに書くつもりがないのだ。」と書かれている

これをGoogleOCRに投げてみる。

 

結果、

黒生会のOCKの力をもってすればこれっぽい字でもかんたんに電子化 さんまのではないか、整むぞエーアイ大明神、私はきれけに良くつもつか あいっだ、

ダメじゃん!私の字の汚さに現代科学は敗北した。ぷぷー

  • IMEに飼い慣らされていて漢字が書けない。OCRされたひらがなをいい感じに変換して欲しいが、漢字を開いたままにしたい文字もある。AIだし空気読んで?
  • 字が汚すぎる。万年筆のペン先は滑るのが魅力。さらさら〜そして汚い字。GoogleOCRでも勝てない。

これは無理である。大人しくカタカタタイプすることにした。

2/9(金)

今週は肉や野菜の食材調達が終わっていて自炊ができてない。同様にいつもの味噌汁弁当も作れなくなってしまった。自炊の要は食材管理でもあるのだ。

「もうしらーん」と開き直って金曜日は自由の日とした。味噌汁弁当は作らないし朝はてきとうに済ませる。お昼ごはんは食堂にする。

でもやっぱり食堂は微妙だった。味噌汁のほうがいい。

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散歩は手ぶらですべし

スープジャーがなかったおかげで今日は手ぶら通勤ができた。冬なのでコートのポケットに眼鏡ケースや社員証スマホなど何でも入っていく。

手ぶらで歩いてみるといつもより手足がよく動かせるのに気づく。ふだんはリュックやら手提げを持っていて気づかなかった。

そういえば鍼の先生が「散歩は、できれば、何も持たずにやってください」と指導していたのを思いだした。なるほど持ちものがないとよりよい散歩運動になるのだ。

*1:フローチャートはそうなってる