今年やりはじめたこと
姿勢改善
猫背完治をめざして姿勢の指導を受け、まともな姿勢で過ごせる時間が長くなってきました
姿勢の指導はジムで受けられるレッスンで、三十分間マンツーマンで姿勢と歩き方のダメ出しをされます。レッスンは一ヶ月ごとに受けて、日頃から課題を意識して動くようにします。 よい姿勢は腹横筋と腹斜筋、背中の筋肉を締めておくことが重要です*1 。みぞおちから下腹部にかけては背骨以外に骨がなくて、筋肉で上半身を支える必要があるためです。 お腹の筋肉を締めることはもっとも大切で、私は腹横筋の感覚を掴むことにほとんどの時間を費やしました。腹横筋はお腹の一番深いところにある筋肉で、インナーマッスル と呼ばれるものです。ふつうは無意識に使われる筋肉なので、たくさん意識的に動かしてみることが重要です。
バランスボール椅子
椅子に座ると勝手によい姿勢になってほしかったので、オフィスにバランスボールを導入しました
高めのオフィスチェアを買うのも選択肢としてあったのですが、つぎの理由でバランスボールになりました。まず、オフィスチェアであっても集中すると姿勢が悪くなりやすいこと。そして、オフィスチェアを選んで買うのがめんどくさいこと。 バランスボールは姿勢を求めるなら最安の椅子です。最初は尻や背中が筋肉痛になりますが、慣れると一日中座って作業ができます。集中できないとき、血流が悪いときに、ボヨンボヨンさせると身体があたたかくなります。音楽聴きながら跳ねるのもたのしいです。 私は半年くらいバランスボールに座って仕事をしているのですが、徐々に腿の裏、ハムストリングが柔らかくなってきました。今では前屈で手のひらが地面につきます。きっと腰痛予防になることでしょう。
十分間憎悪*2
大掃除をしなくても片付いていてほしかったので、毎日十分間だけ片付け、水回りの掃除などをやることにしました
毎日10分だけ家を片付ける行い - non117's diary に詳細を書きました。 具体的な実施内容は、Amazon の箱片付け、棚の最適化、読まない本の裁断とスキャン、窓拭き、風呂のカビ取り、家計簿のメンテナンスなど。 この取り組みは、毎日忘れずにタスク(十分間憎悪)に着手するのが難しいです。今のところの解決策は「毎日やる別のタスクのあとに着手する」方法です。例えば、弊家庭では私がお風呂から上がったときに十分間憎悪タスクをはじめます。タスクをフックする対象は何でもよくて、歯磨き、着替え、食事などが考えられます。毎日やりたいタスクを「強い日常性をもった別のタスク」にフックするのは一般的に有効で、読書や英語の勉強*3 を少しずつやりたい場合にも使えるのではないでしょうか。
朝ごはんを健康的で時間のかからないものにしたくて、シリアルを食べるようになりました
ほぼ完全栄養食で、カロリーが低く、それなのに腹持ちがよい特徴があります。しかも一食五十円です。今まで私は納豆ごはんかコンビニのサンドイッチを食べていたのですが、友人がひたすらオールブラン を食べてるのをみて真似してみました。 一ヶ月くらい続けていますが、お通じがよくなる効果もありました。飽きる気配もないので、最適解にみえます。
基礎教養を効率よく入手できるのではと考え、放送大学 へ入学してみました。
社会学 、経済学、法学、日本語リテラシー を受講してみました。放送大学 の教科書はたいへんわかりやすく、講義も音で入ってくるのでゲーム*4 をしながら聴講することができます。授業はインターネットでいつでも視聴できて、価格は一科目一万円テキスト込みです。単位が欲しいときは、中間試験と期末試験があって面倒ですが、教養が欲しいだけなら試験を受けなくても大丈夫です。 ちなみに、おすすめは日本語リテラシー の講義です。われわれが日本語を読み書きできているという思い込みから開放してくれます。
曲面ディスプレイ
曲面ディスプレイが流行っているので、試しに乗り換えてみました
これまでは4k 43インチディスプレイディスプレイを使っていました。大画面の4kディスプレイは、たしかに横幅が広くて便利なのですが、高さは70cmも必要ありませんでした。人間の目は横並びについているので、縦方向へ視線を動かすと首が疲れます。私はDELL のU3818DWを買いました。私が買ったものは終売した製品なので、最新の同等製品を探すとよさそうです。Type-C一本で接続できる製品があるはずです。
ネットスーパー
食料品・日用品の買い物がめんどくさかったので、西友 ネットスーパーだけで済ませるようになりました
注文した食材が毎週土日に届く生活になりました。手数料はかかりますが、車がないと運べない量の物資が家に届くのはたいへん便利です。買い物の回数が週に一回となったため、家計簿管理にもやさしく、カード決済でキャッシュレスにすることもできます。西友 は野菜や肉の品質が良くて、ネットスーパーサイト sm.rakuten.co.jpのUIがすぐれています。このサイトでは、食材・日用品をお気に入りに登録することができて、いつも使う野菜を2クリックでカートに入れることができます。
ホットクック
調理じたいも最適化したくて、言わずとしれた自動調理くんを買いました
主に作っているのは、鍋?味噌汁?です。肉と野菜と鰹節をホットクックで煮込んで味噌を溶かします。炭水化物はうどんや白米を添えます。つまり、土井善晴 の一汁一菜生活をホットクックでやっています。 鍋で作るのと何が違うのか? まず、火の通り方を気にして具材を切る必要がなくなります。ホットクックはぶ厚く切られた人参もいい感じに火を通してくれます。ですので、何も考えずに雑に切った野菜をホットクックに放り込み、ボタンを押したら調理完了になります。また、このレシピの場合、ホットクックの設定項目は加熱時間だけなため、火加減の管理から開放されます。二人分の肉野菜味噌汁を作るには、手動撹拌有りモード二十分の設定をするだけで美味しくいただけます。
読書習慣
知識がないと考えても効率悪いのでは?と考え、毎日本を読むようになりました
Pink fuwa cat
常日頃から社会や人間の行動の構造を想像する遊びをしていたのですが、知識がないと考えても大した結論が出てこないことに気づきました。「こんなこと過去の人が既に考えてるでしょ」問題ですね。 私は複数の本を並列で読んでいて、風呂では難しめの本を読みます*5 。眠いときは平易な本を読みます。なぜこんなことをするのかというと、環境や体調によって読める文章と読めない文章があるためです。人文科学の専門書を眠いときに読むことはできません。対談形式の本や小説、入門書はMPが減っているときでもスムーズに読み進められます。 他にも業務中に技術書を読む習慣があります。技術書は業務でしか読まないようにしていて、私生活では専門外の教養を深めるようにしています。というのも、ソフトウェアエンジニアとして正社員雇用され、時間管理をされている以上は、専門知識の涵養も業務といえるためです。私がフリーランス であれば話は別ですが、職場に拘束される勤務形態である限りは業務時間を使って勉強をします。別に計算機科学の勉強が嫌いなわけではなくて、むしろ興味はあるのですが、時間管理されていることへの反発心に基づくポリシーです。 本を読むときは必ず線を引きます。線を引くのは「オッ」と思った考察や、中心的な問い、そのうち引用しそうな知識などです。線を引いたらページの右上に✔を書いてドッグイヤー の代わりにします。線を引くとどんないいことがあるのか?第一に、本に対して積極的な姿勢で読むことができます。第二に、将来読み返す自分に目印を提供できます。本を読んでしばらくたつと、たいてい何が書かれていたか忘れてしまいます。忘れてしまうことは仕方ないので、忘れても大丈夫なように、その時感心があること、思いついたことを書き留めておくと、将来の自分の助けになります。じっさいに、数ヶ月たってから本を読み返すとき、何も書き込まれていないとまた一から読み進めたりがんばって思い出す必要がありますが、書き込みが残っているともう一度読みたい文章をすばやく見つけることができます。 線を引く習慣と電子書籍 は相性が悪いです。というのも、傍線も読書メモ、本のコンテンツ(文章)もプラットフォームが所有していて、ユーザは本を借りているだけだからです。プラットフォームが倒産したり、サービスが終了したらぜんぶ失われてしまいます*6 。その点、物理的な書籍は強くて、災害・事故が発生しない限りは一生持っていられます。なので、私は大事な本を物理的に所有して、そうでない本を電子書籍 で読むようにしています。 大事な本とはなにか? 漫画なら流し読みや表紙の絵柄を見るだけで、面白そうかどうかスクリーニングができます。ところが、活字の本はじっくり読み込まないと、価値のある議論をしているかどうかすらわかりません。前半の議論がおもしろくても、結論へかけて雲行きが怪しくなる本もあります。このように、本は最後まで読まないと価値が測れません。ぜんぶ読み終わって結果的に大事な本になります。なので、「大事な本を物理的に所有する」というポリシーには少し嘘があって、大事になりそうな本を物理で買う、ということになります。読む前に本の価値を推測する方法*7 はいくつかあります。序章を読む、目次を見る、他の本からの引用関係を知っておく、解説を読む、など。専門分野に精通すればするほど、予測があたりやすくなります。序章を読むのも大事で、序章には筆者の問題意識が書かれています。問題意識に共感できなければ、その本を読んでも楽しくないので、今は読まないでおくのがよいです*8 。問題意識が理解できたら、抽象的すぎる問題が打ち立てられていないかチェックします。「自由とはなにか?」のような抽象度の高すぎる問題は解けていないのに解けたかのように主張することがあるためです*9 。問題は具体的に定義されていると、現実的なバランス感覚で答えが示されます。 自分にはどんな問題意識があるのか? 意外に思うかもしれませんが、自分でもよくわかってないことが多いです。人に言われたら自分が気にしていることに気づいた、とかよくあります。これは仕方ないことなので、とりあえずなんとなく興味が持てる分野の入門書を読んでみるのがおすすめです。入門書を読んだら入門書が参考にしている本を読みます。つまり、入門書を起点として本のネットワークに分け入ることになります。本から本へ移動するときは、自分の興味を大事にしましょう。「〜の分野をやるには〜の本を読まなければならない」という意識にかられる*10 必要はなくて、興味に従って渡り歩いているうちに、そういった本を読む必要性に自分で気づく日がきます。 既に専門性を持っている人は、専門分野の興味を深めるだけでなく、専門外の領域へいってみるのがおすすめです。専門外の教養が、自分の専門や仕事と思いもよらない繋がり方をすることがあります。この繋がりは、役に立ってはじめて気づくので、事前に予知することができません。また、専門分野を掛け持ちできたら、珍しい人間になれるという利点もあります。複数の専門分野をまたいで評価するランキングはないので、上位互換の他人が出てきにくくなります。狭い専門分野でトップを取らなければ、という強迫観念から開放されるかもしれません*11 。
だいぶ長くなったのでまとめます。
本を読むことはおすすめな生活習慣です
本を読むときは線を引きましょう
大事な本は物理媒体で所有しましょう
読まなければならない本はありません、自分の興味に従って本を読みましょう
専門分野以外の領域に目を向けると生存競争で勝てるかもしれません
投資
労働だけに賭けるのも怖いのでNISAをはじめました
sbiでETF を自動定期買い付けしています。長期投資で配当が主目的、値上がりがおまけです。ジュレ ミー・シーゲルの「株式投資 の未来」を読みました。大きな額を投資していないうちから十ドル以上は配当をもらっていて、銀行預金の感覚からするとびっくりします。もちろん先週*12 の相場のような下落リスクはあるので、余剰資金を投じるにとどめて一発逆転を狙わないことが重要でしょう。仮に私が全財産を投じていたら、あの暴落で狼狽売りをしていた自信があります。億単位の資産を持っていない限りは、労働のほうが効率よく稼げるので*13 、あくまでリスク分散として金融資産を持つのがよいように思います。
資本主義経 済の理解
今の所の理解を述べます*14
企業は株式や債券、銀行を通して資金を調達します。企業が資金を借りると利子をつけて返済します。なぜ、企業は利子を払えるのでしょうか? 企業が商売して利益を生み出すからですね。その利益が原価、管理費、人件費を差し引いても利子を支払えるくらい大きいということです。もし、利子を払えないような事業であれば長期的には倒産しますね。長期的に存続する事業は利益が重要であることと、資本主義経 済に出回る余剰金(利子)は企業部門を最上流としていることを示しています。つまり、ある一単位の資本投下を行ったときに得られる利益は企業部門のほうが金融商品 より大きいということです。 企業部門の利益は大きなものですが、労働者はどうやったらそのおこぼれをたくさん受け取れるのでしょうか? まず、小規模で利益率が低い業は避けたほうがよいでしょう。持続性がありそうにみえません*15 。また、資本が少ないのに利益率が低いと人件費に割ける金額は少なくなります。この意味において、長く続いてきた大企業を志向するのは合理的な行動なのかもしれません。 では、利益率が持続可能な水準だとして、給与を上げるにはどうしたらよいのでしょうか? 現実は複雑なので、私ははっきりとした解を持ちません。経営者としても、下方硬直性のある給与を容易に上げることは好まないでしょう。労働市場 での需要を高めると給与が上がるという話もありますが、古典経済学で想定されているほどシンプルな労働市場 があるようには見えません。 ひとつだけ希望があるとすれば、現在の知識労働 は属人化が絶賛進行中ということです。現代において、生産手段は知識労働 者が半ば独占しているといってもよいように見えます*16 。そこで単純に考えるならば、知識=生産手段をより多く持つことが時給を上げる手段になります。一部の人たちは、知識をもった労働者がいないと事業が立ち行かないことを認識していないように見えるので、近づかないようにしましょう。そういうことを認識している人の元でならば、知識の所有が給与交渉の材料として機能します。したがって、知識*17 を個人に蓄えていくことが、個人としての利益率を上げる戦略になります。 これが、私が労働も重視しつつ読書を大事にする背景です。
今年見つけた課題
体調管理
体調も効率化の制御下におきたい現代人の精神病にかかっています
なんとなくだるいことが増えてきましたが、原因はまだわかりません。代謝 がなんちゃらかもしれませんし、冷え性 の可能性も。だるいと読書もコーディングも捗らないので困ることが多いです。だるい時は、SNS をだらだらと眺めることしかできません*18 。緊張と弛緩をバランスよくやっていくことが大事とされており、弛緩しようとしている体調をだるいと感じているのかもしれません。リラックスしたいのにSNS を見るのは弛緩に繋がらないような気もします。さいきんのSNS は特にS/N比 が悪いので、見ない時間を増やしたいところです。
趣味実装の習慣
生活を効率化するシステムを実装したい
"Done is better than perfect."を趣味実装だとできない問題。趣味なので趣味にしては過剰設計を目指してしまう*19 。システム構成を欲張ってしまう。結果、下回りを作っているうちに何をしていたか忘れてしまう……。趣味だからこそ最小の労力で最大の効率化を、趣味実装時間を含めた全体最適 化を目指すべきなのかもしれません。世に存在しない、いいアイデア はあるので、とりあえず動くものを作りたいです*20 。 昨年完成させたものは一つだけあって、レシートOCRくん です。Electron + React + TypeScriptで作りました。手を付けてから一年くらいかけて、エイヤッとやって完成させました。Reduxを使わなくても状態の管理がスケールすることを示したかった && フロントエンド設計の実験場 でした。きれいに書けたのですが、野生の勘で設計と実装をしたので気になる方はコードを読んでみてください。ブログ記事で説明をしようかなと思った時期もありましたが、やる気がありません。Alminに大きな影響を受けていますので、業務で似たことをやる場合はAlminに依存するとよいかもしれません。
文章うまくなりたい問題
この長文はそれなりの時間をかけて推敲していますが、あまりこなれた文章で出すことはできなさそうです。そもそも、私は理系カリキュラムをとおして、文章を書く訓練を受けたことがないような気がします。みなさんは、なんとなく文章を書けているようにみえますが、どうやっているのか。みなさんは、文豪ですか? 文章には骨と肉があり、骨が伝えたい内容、肉が読みやすい表現といえるでしょう。骨が一番大事なのはそうなのですが、肉のスキルが語彙や訓練に依存しているような気がします。骨も一発で書くのが難しくて、半ば無意識に言葉を吐き出しているうちに、骨が見えてくるのかもしれません。この文章も無意識に吐いた段階*21 *22 *23 で妻にレビューしてもらいボコボコにされましたが、自分が何が言いたいのかを把握して骨だけは作ってからレビューしてもらうと効率がよさそうです。肉については訓練しかありません。つらい。 来年はもうちょっと量を書いていこうと思います。
まとめ
いろいろやってきて収穫もありました。課題もまだまだあります。効率厨としてさらなる全体最適 を目指しますので来年もよろしくお願いいたします。
おまけ
今年読んで本当によかった本を紹介します
ジー クムント・バウマン 「リキッド・モダニティ」
後期近代*24 において個人が構造的に不安になることを示しています。
エーリッヒ・フロム 「自由からの逃走」
いかに個人が自己欺瞞 にとらわれやすいか、自己欺瞞 にとらわれるとどんなパーソナリティになるのか。
宮本常一 「忘れられた日本人」
明治後期の農村の生活。
橋爪大三郎 先生は、教養が深く、それでいて本質をついたわかりやすい説明をしてくれます。
以上です。