non117's diary

料理と哲学をします

栄養とは何か?は未だ不明である

 ライティングの哲学を読んでいたらおもしろいブログを発見した。

 

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という、千葉雅也先生の発言。

インターネット上の記事か何かだろうなと思って検索したら、それらしきブログを見つけた。

ameblo.jp

「食事摂取基準に基づいて」とありますが、食事摂取基準の歴史を見れば、変節の歴史そのものであることがわかります。忘れていけないことは、私たちが生きていくうえで必要な栄養素の種類も量もだれもわかっていないということです。今、わかっている範囲ではという前提条件を忘れてはいけません。そして、私たちは常に富士山の8合目にいるという錯覚に陥りがちだということです。100年経ってみたら、実は一合目にも着いていなかったという可能性があります。

ここですね。これは事実で、腸内細菌叢の研究だけでも、食べるとは何かがわからなくなってきています。人間はものを食べて分解しているだけではなく、食べかすを腸内細菌たちに分け与えています。つまり共生関係があります。腸内細菌が代謝した物質を人間が取り込むことや、腸内細菌のおかげで免疫が暴走せずにいることもわかっています。数兆オーダーの細菌たちを維持することも食事なので、どこまでが栄養かだなんて簡単な問題ではないのです。

ちょうど先日読み終えた土と内臓にも同様のことが書かれていました。どうやら腸内細菌の衰えと自己免疫疾患などは関係があるらしい。

じゃあ、COVID-19と腸内細菌叢は関係があるのだろうか?と思って調べたらそういう仮説もあるようだった。

www.thermofisher.com

www.riken.jp

COVID-19の症状が人によって違うのは細菌叢の違いではないか、ということだ。昨今の免疫の理解からするとありえそうな話である。

 

ちなみに、先の栄養士さんのブログはやたらとおもしろくてエッセイとしてレベルが高い。やはりインターネットも捨てたものではない。みなさんSNSにこもってインターネットに絶望していますが、インターネットはSNSだけではない。外を見ましょう。

このブログは、ちょっと配色がきつくて読みづらいのだが、それは古き良きインターネットのセンスということにしておきましょう。黄色ウクライナの国旗のようですね。

ja.wikipedia.org

自分の体温を知る

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私の体温低すぎ?

ここ二週間ほど体温をこまめに測ってきた。きっかけは新型コロナワクチンの接種。問診票に記入するために体温を測ったのだが、何度やっても35.6℃から上がらないのだ。自分の体温は36.5℃くらいだと思っていたのに、ずいぶん低い。まずいのでは?*1*2と思い、計測して傾向を探ることにしてみた。

わかったこと

朝は低く夜は高い

概日リズム的なやつ。朝低くても夜には36.0℃を超える。

知っておきたい体温の話|活動報告書|テルモ体温研究所とは|テルモ体温研究所

35.4℃以下になるとすごくだるい

朝でも日中でもそう感じた。めちゃくちゃだるいな、起きあがれないな、と思ったら35.4℃を下回っている。

立っていると体温があがる

それはそう。でも座ってしまう。座って仕事をしていると35.4℃になる。

体温を上げるには

立って仕事をする

スタンディングデスクを導入した。FlexiSpotのH2Bという手動昇降のモデル。なぜ自動昇降じゃないのかというと、自動昇降機能は壊れると思ったから。ソフトウェア開発も家具・家電もシンプルにできるとうれしい。シンプルなものは壊れにくい。

参考文献: レビュー | FlexiSpot スタンディングデスク H2B | 手動で十分満足できるよ | 雑記ブログ

首の後ろを温める

首のつけ根に大椎というツボがあって、ここを温めると体温があがる。Tシャツだけだと首元が冷えるのでパーカーを着る。寝起きでだるいときはすぐに服を着る。

お湯を飲む

地味に効く。水を飲むと冷える。朝はお湯がいい。

二度寝しない

二度寝をすると起床時の体温が下がる。だいたい35.4℃かそれ未満。しかも、二度寝をすると朝だるいだけでなく、一日中身体が重くなる。たぶん自律神経がおかしくなっている。

私の場合は、日の出の太陽光で勝手に起きてしまう性質があるので、六時くらいに起きることにした。今まで六時に起きるのは中途覚醒だと思っていたのだが、じつは(自動)起床だったらしい。

二週間経った感想

日中だるくなることが減った。測ってみるとだいたい36.0℃ある。

二度寝禁止について

私がショートスリーパー気味な可能性はあるのだが、何時に寝ても日の出で起きると元気にすごせる。起きる時間は身体に任せるのが一番なのだろう。ただ、夕方に電池が切れることはあったので、はやく寝るようにするとよさそう。目標23時就寝で調整中。

スタンディングデスクについて

立ってPCをいじるようになって一週間くらい。脚の筋肉が増えてきた。体組成計の数値もよくなっていて効果を感じる。筋肉は体温の要なので、どんどん増やしていきたい。

 

おまけ

つくえです。100cmくらいの高さで運用中。

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*1:生物は酵素反応システムで、酵素反応にはある程度の温度が必要だから体温が低いと代謝や免疫に影響するはず。実際かなりよくない

*2:1gの水を1℃あげる熱量が1㌍である。人間の体重で1℃違うと消費カロリーにけっこう効くはず

スマホとSNSに切り刻まれている

先日、放送大学の人格心理学という科目の教科書を読んだ。人格とは何か、という問題を多面的に考える科目だ。本題は人格全般を心理学することなのだが、この教科書の最後の章に興味深い指摘があった。

電子メディアによって私たちの日常生活は、二重の意味で分断される。ひとつは時間軸の方向に、もうひとつは空間内においてである。時間軸での分断とは、次のような事象である。たとえば、モバイル端末を通して、複数の友人から頻繁にメッセージがやってくる。私たちはそれに即座に反応し返信することが一般的となっている。異なる人々との関係は、異なる対人的状況である。そのたびに私たちは「自分」を切り替え、自分の置かれる文脈(コンテクスト)を切り替えざるをえない。

(中略)

私たち連続性のある一貫した状況の中ではなく、切れ切れになった状況の中を生き抜いていかねばならなくなっている。これは、私たち人間がこれまで体験したことのなかった事態である。

人格心理学 p241

私たちは切り刻まれている

たしかに日々、私および皆さんの人格は切り刻まれている。スマホをいじる自分を観察すると、アプリを替えるたびにコンテキストを切り替えているのがわかる。ブラウザのタブでもコンテキストが切り替わる。twitterをするときはtwitter用の人格を持ってこないといけないし、slackやdiscordでも同様だ。文字列コミュニケーションであろうが関係はない。人間と喋るのだから、過去のやりとりや、どんな性格の人なのか、等々を頭に入れないといけない。というか、無意識が勝手にメモリに載せてくれる。

さらに悪いことに、twitterのタイムラインにはたくさんの人が流れてくる。つきあいの長いフォロワーだと、その人のツイートをみるだけでもコンテキストが意識される。タイムラインではスクロールするだけでコンテキストの切り替えが起きるのだ。もちろん、薄目で読み飛ばせば認知的な負荷にはならないだろう。だが、ツイート一つ一つをちゃんと読みだすと、たくさんのコンテキスト切り替えが起きる。真面目にSNSに付き合うとそれだけで頭が疲れてしまう。

となると、twitterアプリとslackアプリを行き来するのは相当疲れるはずだ。実際に、一日中コミュニケーション系アプリをみていた日は、夜になるとテキストが読めなくなる。これは私の経験的事実だが、似たような状況に陥り何もできなくなる人は多いと思う。

これってまずいのでは?アプリを切り替える生活で知らず知らずのうちに消耗している。こんな無駄なことはない。危機感を覚えた私は、一つのコンテキストを長くとる生活をしてみた。知人とのコミュニケーションも娯楽なので、完全にやめることはできない。なので、一日に数回だけtwitterやslackのログを流し読みするようにしてみた。すると、夜になってもたくさん文字が読めること、日記にたくさんの文字を書けることに気づいた。認知リソースが夜まで残っているのだ。*1

指が勝手に動く

コンテキスト切り替えをやめるのに障害になったのは、無意識な指の動きだ。アプリ切り替えに慣れすぎて、妻氏とLINEをしたあとに無意識さんがtwitterやslackを開いているのだ。これをやめるには、ゆっくりとスマホを操作するしかない。無意識はすばやい動きを覚えて自動で実行する。速すぎるので意識に上ることがない。なので、ゆっくりとした動きを意識に載せながらやると、自分が今何をしているのか判断できるのだ。今何をしているのか自覚的になる、これはマインドフルネスと同じ考えだ。電子メディアで自我がバラバラにされる現代でマインドフルネスが隆盛を極めているのも無関係ではないだろう。

 

電子メディアによる効率化はすばらしい。だが、自己意識をバラバラにして疲れ果てさせるのがよいかは別の話だ。私はそうなりたくはない。日記と読書が趣味なので、余暇は文字を書いたり読んだりしていたい。他人の声を無視して内省する時間が必要だ。

 

 

*1:おまけに集中も長く続くようになった

モルモットは猫・ウサギ・ハムスターである

我が家ではモルモットとスナネズミを飼っている。モルモットは4年くらい。スナネズミは6年くらい。

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モルカーの先祖です。名前はカレー味ちゃんです

昨晩、撮りためたペットの写真を検索しようと考えた。ストレージにはGoogle Photosを使っている。Google Photosでは、最高峰のAI様が写真にタグ付けをしてくださる。写真を掘りかえすには、たいへん便利である。

スナネズミの写真を探したい

スナネズミで検索

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わたしはリス しっぽをそられたの

しかし、残念なことに、AI様にとってスナネズミというカテゴリーは存在しないらしい。動物のお医者さんのコマだけが出てくる。

モルモットで検索

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モルモットは精度よく検索できる。

だが、私はスナネズミの画像がほしいのだ。AI様はスナネズミちゃんをどんなカテゴリーにいれているのだろうか。

モルモットとスナネズミはハムスターである

ハムスターで検索

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モルモットもスナネズミもハムスターである

ハムスターで検索すると、スナネズミの全写真が出てくることがわかった。なるほどなるほど。たしかに、齧歯類オタクでない限り、スナネズミとハムスターを見分けることはできない。

会社でスナネズミの写真を見せると、必ず「かわいいハムスターですね」と言われる。中にはモルモットをハムスターだと認識する人もいる。であるから、スナネズミをハムスターとしてカテゴライズするAI様は正しい認識をしているのだ。

モルモットとスナネズミは犬・猫・ウサギである

他のキーワードではどうなるだろうか?

犬で検索 

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オレはやるぜ オレはやるぜ

犬で検索すると、モルモット、スナネズミ、ミーアキャット、鶴、カンガルー、虎が出てきた。

猫で検索

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明らかに猫は齧歯類ではない

猫はモルモット、スナネズミ

ウサギで検索

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近縁種ではある

ウサギはモルモット、スナネズミ

以上のように、モルモットとスナネズミは犬・猫・ウサギとしてカテゴライズされることがわかった。だが、犬の場合はモルモットとスナネズミの写真が抽出されにくいようだ。となると、これはエラーだろう。対して猫とウサギカテゴリーには、しばしばモルモットとスナネズミが登場する。

まとめ

偉大なるGoogle Photos AI様によると、モルモットとスナネズミは猫・ウサギ・ハムスターであることがわかった。AI様は間違えないので、これが新しい常識である。OBEY!

ちなみに

正解は英語クエリです。

gerbilで検索

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スナネズミは英語でgerbilである

モルモットも出てくるが精度がよい。

guinea pigで検索

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モルモットは英語でguinea pigである

モルモット率が高い。

手延べ麺

ラグマンを作る

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ラグマンという食べものがあります。中央アジアで広く食されるもので、手延べ麺にトマト主体の汁をかけます。これはラーメンの祖先で、ラグマンの音がラーメンに変化したとされています。

レシピ

koizumipress.com

レシピは小泉武夫先生のものを使います。小泉武夫先生は発酵を専門とする有名な農学者・文筆家です。つまりレシピが信頼できます。

延べ麺に挑戦

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中力粉に塩と水、卵を入れて捏ねます。粉200g, 卵1個(55g), 水45g, 塩2gにしました。卵はほぼ水分なので水とあわせて100gになるよう調整しています。つまり加水率50%です。

塊になったら油を塗って放置します。

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そのうち球を潰して紐状にしてゆきます。最初は麺?球?が硬いのですが、触っているとなぜか柔らかくなります。粘土遊びのようです。

もうこれ以上伸びないでしょと思っても、放置しているとなぜか伸びてゆきます。グルテンはすごい。

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とはいえ、素人の技術ではぷちぷち麺が千切れてゆきます。ですが、気にせず細くしてゆきます。切れてるほうが食べやすいはず。紐の端を持ってぶらぶらさせると、重力で勝手に伸びます。グルテンはすごい。

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ある程度細くなったところで茹でました。うどんにしか見えない。しかし、うどんとは別物です。よく伸びるし麺には卵が入っています。

トマト汁

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香味野菜多めに好きな野菜を入れます。トマトと玉ねぎ、にんにくは外せないでしょう。にんじんもおいしいです。ピラフの源流たるプロフにもにんじんは登場します。きっと中央アジアではにんじんが欠かせないのでしょう。

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肉とにんじん、玉ねぎは焼きます。メイラード反応を起こして出汁にします。肉はラム肉と豚肉を使いました。全部焼けたら100ccの水を加えて煮込みます。味付けは塩だけ。鶏肉トマト煮込みの親戚料理です。

完成

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こうしてラグマンができました。麺にトマト煮込みをかけただけです。

感想

素朴で毎日食べられそうな味でした。ラム肉もトマトも味が強いはずなのですが、なぜか調和しています。

麺もよかった。打ち立ての麺がもちもちでよくスープと絡んでくれました。

妻氏はクミン・コリアンダーターメリックがあったほうがいい、と言っていました。中央アジア現地でも、ラグマンにこれらの香辛料を入れることがあります。

クミンなどを入れるとインドカレーに似た構造になります。トマトも玉ねぎ、にんにくもインドカレーと共通の材料です。

ということは、ラグマンはカレーうどんなのか……?たぶんそうなのです。ラグマンはインドカレーうどんなのでした。そりゃあうまいわけだ。

延べ麺の世界へ

ラグマンを作ってからというもの、麺が勝手に伸びてくれる体験が忘れられませんでした。YouTubeで手延べ麺の動画を観まくります。

www.youtube.com

www.youtube.com

www.youtube.com

蘭州ラーメンは手延べ麺で作るようです。20kgくらいありそうな生地を男二人で伸ばしています。それを中国らしい人海戦術と流れ作業でラーメンにしてゆきます。かっこいい。

www.youtube.com

そうめんには蘭州ラーメンに近い製法が残っています。よく捏ねて寝かせてから数メートルまで伸ばします。

手延べ製麺失敗

切り麺だけでなく、手延べ麺もおもしろそうだ、と思ってやってみることにしました。小麦粉はおもちゃです。

しかし、作ってみたらぜんぜん伸びない。千切れてばかり。ラグマンの麺を手延べしたときみたいにはいきませんでした。

原因は塩の入れ忘れでした。製麺2021 - non117's diary でやったような切り麺には、塩を入れずに鹹水だけを入れるのですが、手延べ麺には塩が不可欠なのです。勘違いをして鹹水だけ入れてしまいました。*1

グルテンは塩と放置でできる

塩はグルテンを強化し、鹹水は風味をよくする役割があります。パンも素麺も、うどんも小麦粉と水と塩だけで作れます。

www.youtube.com

この動画でも同じことを言っています。粉の蛋白質量も鹹水も本質ではなく、塩と捏ね方が大事なのです。

さらに、生地を寝かせるのも欠かせません。フランスパンは生地を一晩寝かせます。この動画でも麺生地を一晩寝かせていました。麺の科学に書かれていたのですが、グルテンは時間経過によっても形成されるようです。時間がとれるならば、長く放置することで捏ねる労力を減らせるのでしょう。

r.gnavi.co.jp

このお店でもグルテンを形成した生地を寝かせ、あとから鹹水を練りこんでいるようです。

絶対に手延べ製麺を習得したい

グルテンをバキバキに高めた麺はおいしいです。なによりグルテンをびよんびよん伸ばす工程が楽しい。というわけで、しばらくは麺を手延べして過ごそうと思います。設計したレシピは以下のとおり。一食分です。

  • 小麦粉80g
  • 水40g
  • 塩0.8g
  1. 材料を全部混ぜて球状の生地を作る
  2. ボウルに生地を入れてラップをする
  3. 常温で一晩放置
  4. 翌日がんばって練る(動画を観て真似をする)

気分で鹹水を塗ります。

参考文献

おまけ

*1:失敗した麺は麺棒で伸ばして包丁で切るとおいしく食べられました。製麺は失敗してもリカバリが簡単なことがわかった

干し肉を常備しパンと一緒に食べる

ドイツ人をみならえ

digi-log.blogspot.com

僕は初めてこの食事を経験したときにその効率性に驚いた。野菜不足の心配ゼロの食事がこんなに簡単にできるとは! 野菜不足を心配して野菜炒めを作っていた俺は何だったのか! ていうか、こいつがんがんハムとチーズ食いすぎ! ゆで卵何個食べてんだよ? あー、俺にも肉くれ、肉!

ドイツ人はあまり凝った料理をせずにハムやチーズ、ゆで卵などをパンにのせて食べる生活をするらしい。たしかに肉とパン、レタスかトマトがあれば完全栄養だ。腹持ちさえよければ昼食などはそれでよい。ちょっと腹が減ったときもパンとハムを食べれば満足できそうだ。

というわけで、干し肉を作ることにした。ハムやベーコンではないのか?ハムやベーコンはめんどくさい。もっと原始的なものでよい。また、冷凍庫で長期保存をしたい。となると、水分を抜くのが一番である。水分を抜いた肉、干し肉を作ることにした。

干し肉をつくる

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材料

用意するものはピチットシート、豚肉、塩、胡椒、好きな香辛料。

ピチットシート

ピチットシートとは浸透圧で肉や魚から水分を抜くためのシートだ。二重になったフィルムの間に水あめと昆布エキスが入っており、効率的に肉から水を抜くことができる。

ただ、けっこう値段が高い。玉置さんはペットシーツで代用できることを実証していたので、気分的に気にならない人は代用品を使ってもよいと思う。

dailyportalz.jp

豚肉

好きな部位のものをスーパーで買ってくる。今回は豚肩ロース氏にしたが、豚バラでもよいと思う。絶対おいしい。

また、塊肉でなくてもよい。効率的に水分を抜くためにある程度の薄さ、小ささを目指したのだが、ステーキ肉とか生姜焼き用の肉をハサミで切れば大丈夫だと思う。私も次からはステーキ肉を買う。

小さくすることは必須ではないが、薄さは脱水効率に関わるはずだ。分厚い肉はうまいものだが、冒険をしすぎると保存性や食べる前の加熱が大変になると思う。

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薄め小さめに切る

塩・香辛料

最低限必要なのは塩分だけだと思う。塩でもいいし醤油でも。濃度は重量の1%くらい。脱水によって味が濃くなるので保守的に設計するとよい。

今回は塩、黒胡椒、ナツメグ、セージで味付けをした。豚肉といえば臭さがあるものなので、洋風料理で定番の組み合わせにしてみた。

切った肉に塩と香辛料をまぶしてよく揉み込む。この塩も脱水を助けるはずだ。

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塩と香辛料で揉む

脱水

効率的な脱水を目指すので、ピチットシート半分に肉を敷き詰めて折りたたむことにした。半分だけに敷いたのは、肉の両面がシートに接するようにするためだ。*1

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ピチットシートに並べる

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ぱたり

さらに、折りたたんだシートを巻き寿司みたいに巻いていく。シートと肉が密着していないと水が抜けないので。

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巻き寿司

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できた

これをゴムで縛って密着させ、絶対に水を抜くぞという状態にした。あとは冷蔵庫に入れて放置。

24時間後

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シートがたぷたぷになった

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カピカピである

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いいのでは?

ちゃんと脱水された。肉片に素手で触れても脂がつかない。何グラムの水が抜けたのかは計量し忘れたが、かなり肉が軽くなったと感じた。

脱水時間は24時間以上でも以下でもよいと思う。都合がつかなくて48時間放置しても水が抜けるだけなので特に困らないはず。

冷凍保存

脱水した肉をバットに並べて凍結させる。いきなりジップロックか何かに干し肉を入れてもよいのだが、そうすると肉同士がくっついてしまう。少ないながらも水分は残っているので、バット凍結を挟んだほうがよい。肉がくっついても気合いで剥がす、という人はこの工程を省略してもいい。

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これをこうして

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こう

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はい

パンにのせて食べる

干し肉の運用の様子です。腹が減ったらパンと干し肉を取り出して、トースターで焼きます。270度で5〜7分くらい。パンは焼きすぎになりがちなので途中で取りだすこと。

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焼きます

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イタリアンパセリはベランダで育てていたやつ

感想

  • とてもうまい
  • びっくりするほどおいしかった
  • 豚肉はなぜかサイゼリヤの羊串肉みたいな味になった
  • 豚肉の味が濃くなっていてお酒のつまみにもなりそう
  • 燻製するともっとおいしくなるはず
  • 簡単に作れて長期保存が可能なので運用しやすい

というわけで、常備干し肉を作れました。手間がかからずおいしさレベルが高いのでおすすめです。

*1:ただしコストはかかる

ブログはインターネットの良心でありまだ価値があるという話

さいきん小林銅蟲の週報を読んでいるのだが、昔のブログらしさがあっておもしろい。ブログを書き続けている人はけっこう残っていて、これまで古代エジプト、妖怪、パン作りがテーマのおもしろブログを見つけてきた。

ブログはまとまった文章が書かれるので、コンテンツとして強度がある。ブログに書かれる内容に情報量があると最高だが、情報量はなくてもよい。究極的にはブログはエッセイ的なコンテンツなので、語り口が気に入れば無限に読めるものだ。

検索エンジンは優秀なもので、見知らぬ人のブログを見つけることができる。tumblrにもそういうところがある。ブログと検索エンジンの相性はよいので、短期的に数字がとれるかどうかはどうでもいい。必要があればそのうち誰かが検索で見つけてくれるのだ。

だから、ただ淡々と書けばいい。見知らぬ誰かがそのうち見つけてくれることを思い、誰にも見られないかのように素直に書く。語り口が大事だから、気取っていてはダメなのだ。素直に書かれたものがいちばんおもしろい。文章は上手であるとよいが、それすらも必須ではない。つまり、人間がコンテンツということだ。人間が情報を吐き出して貯めるのがインターネットだから。ではなぜSNSではダメなのか。人間コンテンツとして語るのにブログくらい、千文字くらいは必要なのだ。千文字の文章を練りあげると語り口が出てくる。だから箇条書きもダメ。

小林銅蟲はpixiv fanboxに課金者向けのブログを書いている。彼のコアなファンだけに向けておもしろい記事を書いている。SNSや大衆インターネットに届いてしょうもないコメントがつくのは私も嫌だ。それを回避するために半プライベートな空間を選ぶのもたしかにありだと思う。ファンや知人向けの近況共有なら公開インターネットでなくてよい。ただ、そもそも書いたもののリンクをSNSに共有しなければすむ話でもある。はてなブログであればブックマークコメント非表示機能も使える。反応を見ないようにするのはたしかに胆力が必要なのだが、それはこの世の仕様として、人間が生まれてから死ぬまで孤独なのだから仕方がない。

人間は孤独だとわかっているのに何で語るのか?何でなんでしょうね。愛なのでは?見知らぬ誰かのために書いている。