モルモット健康診断
うちで飼っているモルモットの体重が減っていた。もう5歳半になる高齢モルモットで、そろそろ病気になってもおかしくはない。
動物病院に連れていっていろいろ検査をしてもらったが、歯の問題や腫瘍は見つからなかった。腸にガスが溜まっていて、細菌叢の不調があるくらい。ひとまず整腸剤を与えて様子見ということになった。
齧歯類は歯が命である。これまでスナネズミを5匹看取ってきたが、多くの個体で歯が問題になり、伸びすぎた前歯を定期的に切る処置をしていた。
モルモットはもっとややこしくて、奥歯も一生伸び続ける。奥歯の咬合が乱れると、麻酔をして奥歯を切らないといけなくなる。おおごとである。
その点では健康だったので、歯の面では飼い方に問題がなかった、とも言える。一安心。
整腸剤のおかげか、少し体重が戻ってきている。全盛期の体重に戻るかはわからないが、できる限り丁寧にお世話をしていくつもりだ。
『菌の声を聴け』を読んだ
我が家では発酵食品を作ることが多い。本屋でこのタイトルを見かけてぴんときたので買ってみた。
著者は無農薬とか有機栽培の食材だけを使ってパンやビールを作る人である。効率重視の資本主義社会では異端。昨今、無農薬就農太郎が炎上しているので、こういった思想には眉を顰める人も多いだろう。私も諸手を挙げて賛同するつもりはない。
しかし、この著者はちょっと毛色が違う気がした。ふつう反農薬の「自然派」な人たちはコミュニティを作って群れている。仮想的な村を構成し、コミュニティに所属し「自然派」をアイデンティティにするために思想を使っているところがある。
一方でこの著者は、群れずに一人で実践しており、実利として「自然派」をやっている。つまり、そうするとおいしいから。いいパンができるから。実利を求めて自分で考えながらやっているので、ふつうの「自然派」コミュニティの思想と違って、どこか現実的なところもあるのだ。
おもしろそうなので、パンとビールを買ってみた。ネットショップもやっており、割高ではあるが買うことができる。一箱で五千円だった。相場の倍くらいかも。
食べてみると、なるほど独特である。ビール酵母を使ったパンは酸味があって、遠くにビールの風味が感じられる。食パンもビール酵母が使われており、この店にしかない味がした。
パンやビールの発酵は酵母が主役である。粉と酵母にこだわっているのだから、他と違う味になるのも不思議ではない。たいていの店では、量産された酵母を使っているから。
実利を求めるタイプの「自然派」は強い。小麦も自分で挽き、酵母も企業に頼らずにやっているので、消費社会が滅びてもおいしいパンを焼き続けることができるだろう。そして、実際においしいものができている。発酵は複雑すぎて「科学的に」解明しきれないが、現においしいものが目の前にある。説得力はある。
だが、誰もが真の「自然派」の真似をするのは無理だ。目の前の現象を観察し、柔軟に自然を管理するのは職人芸と呼ばれるようなスキルが求められる。当然できない人がたくさんいるし、熟練者であっても品質を安定させるのは難しい。
量産技術によって、そこそこの品質のものを安価に大量に作れているから、我々は楽に生活ができているのだ。たとえ量産工程に非人間的な労働が必要だったとしても、この安価な生活は手放したくはない。
哲学をやり、実存を大事に、と考えるとしばしばこのジレンマに陥る。豊かに生きたいが、非人間的な効率化は嫌なのだ。二つの立場で引き裂かれることになる。
おそらく、この問題の答えはまだ誰も見つけていない*1。問いはマルクスの時代からある。だが、答えが見つからないからこそ、社会はこのようになっているのだ。
雑記
体調管理
- 冷え性人間は夏でも冷える。靴下を履きパーカーを着込み、お湯や生姜を摂取すること。
- 冷え管理をしたらお仕事がバリバリできるようになった。
余暇
- アシスタント作業と読書をしていた。そろそろ次の話があがります。
読書のコツ
- 紙面をぼーっと眺める。本も顔も固定しておく。すると、そのうち内容が勝手に入るようになる。
その他
- 懸念されてたコミケCOVID19感染は回避された。1週間経って熱も咳も出ていないので大丈夫だろう。
- またゴキブリが出て戦った。再発防止策としてホウ酸団子を買ってきた。
- 社交ダンスのレッスンがあった。ホールドが難しかった。初心者の最難関だと思う。
- 妻氏の線はアナログじゃないとダメということがわかる。数年前にも同じ結論を出してたような。
*1:自動化という暫定解は有望だが、人間が安価で柔軟すぎる問題がある